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鮭ほぐし

昔ながらの「山漬け」製法を取り入れて熟成させ、手作業で粗めにほぐしました。ふっくら感が違います!

行楽や運動会など、お弁当をつくる機会が多い季節となりました。『鮭ほぐし』は、おにぎりやごはんとの相性がぴったり。鮭を焼く、ほぐすという手間が省ける便利な一品です。市販品の多くが着色料や調味料を使っているなか、原料は秋鮭と塩のみ。北海道に古くから伝わる製法を取り入れて、うまみをしっかり熟成させています。復興支援企画「“食べる”で支え合う!」の商品としても、広く利用していただきたい常備食品です。

『鮭ほぐし』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】
日本水産株式会社 小田素嘉さん
パルシステム連合会 ドライ食品課 池田瑞穂職員

化学調味料など不使用 原料は秋鮭と塩のみ

 日本人の食事について調べたある調査結果によると、魚介類でダントツの人気を誇るのが鮭。ランキング1位が「塩鮭」、3位が「鮭・サーモン」でした。日本人がいかに鮭好きの国民であるかがわかります。

 パルシステムの『鮭ほぐし』も、2006年の登場以来、高い人気を集めています。2008年度に始まった「100万人の食づくり」運動では、パルシステムの商品づくりの思いを伝える7商品のひとつに選ばれ、その年の9月1回には、組合員の4人に1人が利用 するという圧倒的な支持を得ました。

『鮭ほぐし』は、ニッスイのブランド名でおなじみの日本水産(株)と、有数の水産食品工場を持つ北海道釧路市の(株)笹谷商店が開発に取り組み、瓶詰などの最終加工は、青森県八戸市の(株)ハチカンが担当しています。

 ニッスイにとって『鮭ほぐし』は、『ほたて貝柱フレーク缶』『さんま蒲焼缶』に次いで3番目に手がけたパルシステムのPB商品。厳選された原料、妥協を許さない作り方、本物のおいしさ。そんな高い目標をめざして誕生したのが『鮭ほぐし』でした。

 市販されている鮭フレークはもともと、産卵のため川を遡上してやせた鮭を原料にしてきたという一面があります。おいしさを出すため油や調味料を加え、色をあざやかに見せるためには着色料を使う。そんな“演出”を施したものが一般的でした。

 しかし、パルシステムの『鮭ほぐし』は、化学調味料など一切使っていません。食品表示欄を見ても、原材料欄に記載されているのは、「しろざけ(北海道)、食塩」のふたつだけ。そんなシンプルな素材だけで、飽きがこないおいしさを実現しています。なぜ、そんなことが可能だったのでしょうか。

原料選びから始まる一貫したこだわり

 「『鮭ほぐし』には、産卵のため秋に北海道に戻ってきたシロザケを使っていますが、原料の選別から入った一次加工の段階に最重要ポイントが隠されているんです」(小田さん)

 第一のポイントは原料の鮭の違い。鮭は生まれ故郷の川を遡上するにつれて婚姻色と呼ばれる茶色みを帯びたブナの樹皮のようなまだら模様が濃くなり、呼び名もAブナ、Bブナ、Cブナと変わっていきます。脂がのっていた身も次第にやせて、商品価値が落ちていきます。

 パルシステムの『鮭ほぐし』で使われているのは、銀毛と呼ばれる遡上前の銀色の魚体の鮭と、河口付近に接近したAブナを中心に使用しています。つまり、遡上前の脂がのった鮭を厳選して利用しているのです。

 第二点のポイントは、北海道に古くから伝わる山漬け製法を取り入れていること。

「山漬け製法は、まず生の鮭にふり塩をして、丸2日か3日、熟成させます。そのときの気温や鮭の大きさなどによって工場の熟練の技術者が塩加減を調整します。 こうすることで、魚体から余分な水分が抜けて、身がしまり、鮭本来のうまみを最大限に引き出すことができるんです」(小田さん)

 鮭フレークは1日でも製造は可能。日数がかかる山漬け製法は、効率やコスト面でマイナス面もあります。しかし、『鮭ほぐし』のうまみは、ゆっくりとした熟成の時間から生まれ、ごはんと食べたときの絶妙の塩味は、熟練職人によるこまめな塩加減から生まれるもの。当初は失敗もあったといいますが、伝統の山漬け製法にこだわり、ついに製造法の確立に成功しました。

 「何も足していないし、何も引いていない。そのものずばり、鮭だけをほぐして詰めたもの。これ以上シンプルにできないものに仕上げています。もし、鮭の身質が悪かったら、そのまますぐに評価にはね返ってくるので、ここが最大のポイントになると思います」(小田さん)

 ポイントの第三点は、手作業でほぐすことで生まれる、独特の食感です。笹谷商店の工場では、山漬けで熟成された鮭の身を蒸して皮や骨を取り除き、機械でフレークにするのではなく、手作業でほぐしています。

 葉っぱのようにパラパラっとほぐれる『鮭ほぐし』の食感は、大きな魅力。あのざっくり感は、ていねいな手作業のたまもの。組合員のみなさんからも「身が大きくて、食べごたえがある」「粗ほぐしだから、鮭の味がそのまま」と好評をいただいています。

おにぎり以外の利用法という楽しみ

 『鮭ほぐし』と言えば、おにぎりというイメージが強いでしょうが、もっといろんな料理で活躍する潜在能力を秘めていることをご存じですか。

 「私は鮭チャーハンが好きで、オムレツに入れてもおいしいと思います」(小田さん)ニッスイのホームページには、鮭フレークのレシピも多数紹介されているので、参考にされてみてはいかがでしょうか。(「焼きあらほぐし」でレシピ検索)

 今回の東日本大震災で、『鮭ほぐし』のびん詰めなどの最終加工を担当する(株)ハチカン(青森県八戸市)が被災しました。製造ラインは約2週間で復旧しましたが、岩手県久慈市にあったハチカンの工場は被害が大きく、復旧不可能に。そこは、『ほたて貝柱フレーク缶』の製造工場でした。幸い、その製造機器は奇跡的に無事だったため、『鮭ほぐし』と同じ八戸市の工場に移設し、なんとか再稼働にこぎつけました。

「8月から商品カタログで『鮭ほぐし』を紹介するとき“食べる”で支え合う!のマークが入って、お買い上げ価格から10円が震災支援に寄付されるようになりました。食べることで震災復興につながるよう、組合員のみなさんにおすすめしていきたいと思います」(池田職員)

『鮭ほぐし』をとおして、食卓からの復興支援に参加することもできるようになっています。産地に思いを馳せながら食べる『鮭ほぐし』は、またひと味違うかもしれません。

原料と加工ここがポイント

ランクの高い鮭

川を遡上するにつれて、婚姻色と呼ばれるブナの樹皮のようなまだら模様が、濃くなり、身はやせうまみも失われてしまいます。呼び名も図のように変わります。このうち、身に脂がのってグレードの高い銀毛とAブナだけを使っています。

山漬け製法

鮭に直接塩をふりかけ、樽の中で重ね、鮭の重さで水分を出す製法。余分な水分が抜けて身がしまり、塩漬けすることでうまみ成分が増えて凝縮される。塩だけでおいしい鮭ほぐしができるのです。

鮭の切り身に塩をふる

 

10℃以下の専用室で2〜3日熟成させる

ほぐし作業

皮や骨を取り除き、身をほぐすのは、すべて手作業。職人の手によって、一つひとつていねいにほぐしていきます。ていねいに手作業で骨を取り除きます

手作業で骨を取り除きます

ざっくりと身をほぐします

組合員のクチコミ活用術

 

鮭とじゃがいものサラダ


「いろいろ使えて便利です」
フレークになっているので、いろいろな料理に利用できます。おにぎりはもちろん、パスタやサラダなどに使用しています。 wakko さん

大豆と鮭のごはん

「 自然な色がうれしい鮭フレークです」普通にお茶漬けもいいけど、チャーハンがおいしいと思います。自然な色が安心です。常温保存で長持ちして、すぐ使えるのは助かる点です! okinawa さん

※パルシステムホームページ『商品クチコミ』から一部抜粋

パルシステム神奈川ゆめコープ おすすめ商品

おにぎりやお茶漬けはもちろん、卵料理やサラダなどにも大活躍!

『鮭ほぐし』

※本ページは2011年10月に公開し、2015年11月一部更新しました。
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