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産直たまごのふわふわスープ

うまみの濃い産直たまごがふんわり、たっぷり もったいない精神と産地支援を目的に余剰卵も有効活用

 卵がぽってりと固まったり、温度が低いとスープが濁ってしまったり。簡単なようでなかなか奥の深いのが、かき玉で す。そんなかき玉の理想的な“ふんわり感”を食品のプロが見つけ出し、フリーズドライ製法で閉じ込めたのが『産直たまごのふわふわスープ』。1食分はわずか7・5gと軽量ですが、そこにはプロの技術とともに、パルシステムならではのこだわりがギュッとつまっているのです。

『産直たまごのふわふわスープ』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】
大日本明治製糖株式会社 森貢さん
日本ドライフーズ株式会社 山田かおりさん
      同      川﨑敏博さん
※日本ドライフーズ株式会社は2015年4月合併により、株式会社宝幸と社名変更しました。
 

化学調味料を使わず自然なうまみで飽きない味に

 『産直たまごのふわふわスープ』の製造元(個包装まで)は、1984年設立の日本ドライフーズ(株)(※)。福岡県に工場をもち、フリーズドライ(真空凍結乾燥)食品の開発・製造・販売を行うメーカーです。

 ちなみにフリーズドライとは、食品をいったん凍結してから、真空状態で乾燥する方法。じっくりと時間をかけて氷(水分)を蒸発(昇華)させるので、食品の色、香り、味を保ったまま長期保存しやすく、水やお湯をかけるだけで、もとの状態に復元できます。

 もともと医学や薬学の分野で活用されていたフリーズドライは、やがて食品分野にも応用され、インスタントコーヒーなどの商品化につながります。さらに、フリーズドライをより一般化させたのが、1990年代に登場したブロックタイプのたまごスープでした。

 パルシステムでは、化学調味料を使ったたまごスープが一般的だった1994年ごろ、「化学調味料を使わず、添加物もできる限り使用しない」たまごスープの開発を日本ドライフーズ㈱および大日本明治製糖(株)に依頼。メーカーでは、チキンエキスやいりこエキスなどを使ってうまみを補うことで、化学調味料を使わないたまごスープを試作しました。

「当初は『味が薄い、ものたりない』という反応でしたが、最終的には『味の濃いものより、自然なうまみのほうがよい』と、今の味に落ち着きました。商品展示会では、『毎日食べても飽きない味です』と言ってくださる組合員の方もいらっしゃいます」(森さん)

※日本ドライフーズ(株)は2015年4月、合併により(株)宝幸と社名変更しました。

試作を重ね、ふんわり感を実現 余剰卵を有効活用しPB商品化

 あっさりとしたおいしさのスープとともに、好評を博しているのが、ふわふわ卵の存在感。お湯を注げば、まるで生卵を溶き入れたように、ふわっと卵が広がります。この製法を確立するまで、開発担当者は、じつに100回以上の試作を重ねたそうです。

「卵を落とすときの液の温度、濃度、攪拌のスピードなど、どの条件下で卵がいちばんきれいに広がるか、何度も試作を繰り返しました。試作のデータを実際に工場でやってみると、まったく違った結果になることも。それをまた持ち帰り、作業をする人と打ち合わせをしながら、投入のタイミングを見直しました。卵をたっぷりと使い、3倍以上の濃縮した形でスープを作るので、なおさら卵をふわっとさせるのがむずかしいんですよ」(山田さん)

 このたまごスープの原料をパルシステムの産直たまごに限定したのは、2006年10月から。年末年始など、組合員への配達が休みになる間も、鶏は休まず産卵します。そのため、時には卵が余ってしまう。「そんな余剰卵を有効に使いましょう」ということから、リニューアルへの取り組みが始まり、PB商品※『産直たまごのふわふわスープ』が誕生しました。

「まず、4カ所の産直産地の卵で試作し、適切な卵を選ぶことから始めました。その結果、現在は千葉県の菜の花エッグの産直たまごを使っています」(森さん)。「フリーズドライは水分を除去するので、固形分(=卵)の違いが大きなポイントになります。たまごスープによって、卵の色が濃くなったり薄くなったりしないよう、安定的で平均化できる卵ということで選びました」(山田さん)

※PB商品…独自開発商品

今では毎月製造集中生産でコストにも配慮

 パルシステムの産直たまごは、太陽光と自然の風がたっぷり入る開放鶏舎で健康的に育てられた鶏の卵。親鶏には、収穫後に農薬を散布しておらず、しかも非遺伝子組換えのとうもろこしを主体とするエサを与えています。こんなふうに、親鶏の育て方までトレースできるたまごスープは、市販ではなかなか見つかりません。

「もともとは、お盆のころに余剰卵が出るという話があり、工場でも夏場に釜が空くことから、『産直たまごのふわふわスープ』の製造を7〜8月に集中しようというのが始まりでした。今では余剰卵だけでは追い付かず、ほとんど毎月製造しています」(森さん)

 また、PB商品化の際、課題のひとつになったのが、長距離輸送によるコストの見直しでした。「卵を千葉県から福岡県の工場まで運ぶより、首都圏近郊で製造してはどうか」と、関東にある協力工場で試作をしましたが、その評価は「今までと味が違う」。そのため、製造は従来通り福岡で行い、好評を得ているたまごスープの味を守ることになりました。

「その分、コストを考えて、毎回、決まった数をより効率よく作れるよう原料を手配してもらっています。PB商品化してから一度も小さいロットで製造したことはありません。1日10万食を3日連続、30万食を一気に作っています」(川﨑さん)

サッとお湯を注ぐだけの手軽さアレンジメニューも多彩

 お湯を注ぐだけでできる『産直たまごのふわふわスープ』は、忙しい朝やちょっと小腹がすいたときにぴったり。あっさりとした味わいで、ごはんにもパンにもよく合います。携帯しやすく、常温保存できるフリーズドライなので、学校や職場でのお弁当のサイドメニューにもおすすめです。

 ごはんを加えて雑炊に、餃子や春雨を加えて中華風スープに、『便利つゆ』と合わせて麺類のつゆにと、アレンジが多彩な点も人気で す。さらに、山田さんのイチ押しはチャーハン。袋ごともんでパラパラにし、ごはんやねぎといっしょに軽く炒めるだけでできあがり。このチャーハンは、社内でいちばん評判のよかったメニューだそうです。

 そのまま手軽に味わったり、アレンジしておいしさを広げたり、と楽しみ方は自由自在。ぜひ、わが家の定番に加えていただきたい、パルシステムの自信作です。

『産直たまごのふわふわスープ』ができるまで

卵は産直産地の菜の花エッグ(千葉県)から割卵工場(福岡県)へ。

  1. step01

    具材の処理

    具材の処理

  2. step02

    かき玉づくり

    卵を割った状態(液全卵)で夕方納入、翌朝から作業に入る。ニーダーと呼ばれる大釜でかき玉をつくり、調味料や具材を 混ぜる。

  3. step03

    充填

    たまごスープを機械でトレイに充填する。トレイのひと区切りが1食分のブロックになる。

  4. step04

    たまごスープを機械でトレイに充填する。トレイのひと区切りが1食分のブロックになる。

    トレイを棚に並べ、凍結庫でマイナス25℃以下まで冷却する。

  5. step05

    トレイを棚に並べ、凍結庫でマイナス25℃以下まで冷却する。

    スープが凍ったら、専用棚に移して真空凍結乾燥機へ。丸い扉の直径は2m以上。1日に真空凍結乾燥機ひとつで約3.3万食×3機=約10万 食を製造する。

  6. step06

    包装・検査

    トレイからスープをはずし、個々に包装。金属探知機やウエイトチェック後、最終パック工場へ。

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スープ1食分に使われている産直たまごは約14g!(4食分で約1個使用)

『産直たまごのふわふわスープ』

※本ページの内容は2011年4月時点の情報です。2015年11月一部更新しました。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。