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産直小豆ゆであずき

ゆであずきのトップメーカーと共同開発 十勝産あずきの風味をいかし、ふっくらと炊き上げました

 古くは古事記にも登場し、日本人の食生活と密接に関わってきた小豆。毎月1日(または1日と15日)には小豆を食べる習慣があったほか、四季折々の節目にいただく小豆がゆやお赤飯、あんを使った和菓子やぜんざいなど、おなじみの食材です。とはいえ、乾豆からあんを煮るのはちょっと大変。もっと手軽に小豆のおいしさを楽しみたい。そんな方におすすめしたいのが、『産直小豆ゆであずき』です。

『産直小豆ゆであずき』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】
井村屋株式会社 砂澤 秀一さん

ロングセラーを誇る老舗の技術とノウハウを継承

 ぽってりとした小豆の粒々感と、あんのなめらかさが絶妙のバランス。ほどよい甘みがふわっと広がり、ついついもうひと口食べたくなるおいしさ。2009年11月に発売されたパルシステムのPB商品※『産直小豆ゆであずき』は、年間注文数約32万パック(2袋で1パック)を超える大ヒット商品です。

 『産直小豆ゆであずき』の開発を手がけたのは、三重県津市に本社を置く井村屋(株)(開発当時は井村屋製菓(株))。井村屋製菓(株)の持株会社制の移行に伴い、2010年10月に設立された新会社ですが、もともと井村屋製菓(株)といえば1896(明治29)年創業、1960〜70年代には後発ながら缶入り「ゆであずき」で市場を席巻した、ゆであずきのトップメーカー。この老舗企業の商品開発から生産、販売に至る流通事業を継承したのが、井村屋(株)です。

※PB商品…独自開発商品

炊きムラが出やすい新豆使用という制約下でのスタート

 パルシステムから同社に「ゆであずきをPB商品化したい」と声がかかったのは、2009年3月下旬ころ。商品カタログでスポット的に扱っていた井村屋の「パウチゆであずき」が好評だったことから、同社が選ばれました。

 パルシステムからの要望は、原料に北海道十勝の産直産地・JAおとふけの小豆を使うこと。しかしそれには、いくつかの課題のクリアが必要でした。まずひとつは、井村屋社内の説得。同社は自社ブランドも北海道産小豆にこだわり、年間70万tもの小豆を買い付けする専業メーカー。そのため、「どうしてほかの産地の小豆を使わなければならないのか」と抵抗感をもつ人も少なくなかったといいます。「『長い目で見れば、大きな財産になる。必ず期待にこたえます』と説得を重ねましたが、結果が出るまではやはり心配でした」

 もうひとつの課題は、JAおとふけには、原料として供給できる小豆が新豆しかなかったこと。「新豆は水分を多く含んでいるので、炊きムラが出やすく、均一化がむずかしい。新豆よりも、水分が飛んだ2年物、3年物の方が、ふっくらと風味豊かに炊き上がります」

 新豆でゆであずきをつくる場合、炊き時間が短いとかたい豆が残ってしまい、長時間炊くと皮がなくなってしまいます。工場では小豆を均一に炊けるよう専用釜を導入していますが、一度に大量につくるため、家庭の小さな鍋でかたさをみながら炊くようなわけにはいきません。そこで何度も試作を重ねた末、今では納得のいく商品に仕上がりました。

 『産直小豆ゆであずき』1袋の内容量は180g 。150g から200g超まで数タイプを試作し、食べきりに適した量を検討した結果、「少し食べ足りない」という量に抑えて2袋を1パックにすることに。

 また、ゆであずきの糖度は約50度。発売前のモニタリングでは「甘すぎる」という意見もありましたが、糖度約50度は、ゆであずきのトップメーカーとして譲れないベストな甘さとのこと。この糖度で製品化したところ、結果は大正解。組合員からは「甘さがちょうどよい」「甘すぎずおいしい」という声が多く寄せられています。

専用釜の性能と職人技により高品質のゆであずきが誕生

 製造工程では、小豆そのものの選別からこだわっているのが特徴です。もちろん産地でも選別は行っていますが、どうしても異物の混入は避けられません。そこで、工場では、磁気・風力・色彩選別など数種類のチェックを繰り返し、ほぼ100%に近い異物除去を行っています。

 選別された小豆は、計量を経て、あん炊き専用釜へ。この専用釜には、自由自在に回転するかくはん機が内蔵され、熱が均一に行きわたるよう設計されています。

 「何月何日に買い付けした小豆なのか、その時の作付状況を見ながら、かくはん機の回転数、炊き時間、温度などをセッティングします。3分縮める、5℃上げるなど、職人の経験に基づく本当に微妙な調整です。数値は少し短めに設定し、職人が最終チェックを行います。人の目視確認は欠かせません。現代技術を搭載した機械と職人の技が合わさって、昔と変わらない、おいしいゆであずきができ上がるわけです」

 『産直小豆ゆであずき』の原料は、砂糖、小豆、でん粉、食塩、水のみ。保存料や着色料などは、いっさい使用していません。小豆の選別や蒸煮をていねいに行う老舗の誠実な仕事ぶりが、シンプルな原料で構成される『産直小豆ゆであずき』のおいしさへの高い評価を支えているのです。

そのまま食べてもおいしく温かいぜんざいも手軽に

 『産直小豆ゆであずき』は、缶のニオイが気にならないレトルトパウチ入り。開けやすく、可燃物として後処理もラクにできます。温めて使いたいときは、そのままボイルもできます。開封したら食べきるのがおすすめですが、残った場合は密閉容器に移し、冷蔵庫で保存して早めに食べてください。

 そのままパンやフルーツ、ホットケーキにのせて、手軽に楽しむもよし。冬はぜんざいや、かぼちゃといっしょに煮るいとこ煮など、温かいもので寒さをしのぐもよ し。井村屋(株)では、みんなで取り分けて食べる鍋ぜんざいなど、小豆を使ったアレンジレシピをホームページで紹介していますので、こちらもご参考に。

 ちなみに、レトルトパウチのゆであずきも缶入りと同様、新しいものより、賞味期限が近付いたいわゆる「ひねもの」のほうが、蜜が回っておいしさが増すとのこと。『産直小豆ゆであずき』を多めにストックし、しばらくねかせてから、熟成された甘みをじっくりと味わう――そんな楽しみ方もいかがですか。

『産直小豆ゆであずき』ができるまで

『産直小豆ゆであずき』の製造は、井村屋グループの日本フード(株)(愛知県豊橋市)が担当しています。

  1. step01

    選別

    1.粗選別…上下2枚の網を用い、茎やサヤなどをふるい分けると同時に粒の大きさをそろえる。
    2.研磨…小豆の表面の汚れを落とし磨きをかける。
    3.石抜き…傾斜をつけた網を振動させ、小豆より重い石などを除去する。
    4.磁気選別…永久磁石により、鉄分を含む軽石や花崗岩を除去する。
    5.集塵…吸引機とふるいが入った配管を通し、選別中に出た割れ豆等を除去する。
    6.色彩選別…近赤外線を利用し、小豆と色の異なる異物を除去する。

  2. step02

    蒸煮(じょうしゃ)

    高さ約2mの専用釜で小豆を炊き上げる。工場にある専用釜は5機。1日8時間稼働の場合、『産直小豆ゆであずき』1万2千パック(2万4千袋)。

    高さ約2mの専用釜で小豆を炊き上げる。工場にある専用釜は5機。1日8時間稼働の場合、『産直小豆ゆであずき』1万2千パック(2万4千袋)。

  3. step03

    調合

    砂糖、でん粉、食塩を投入し、調合する。

  4. step04

    充填

    ゆであずきをレトルトパウチに自動充填する。さらにX線検査で異物混入がないか確認する。

  5. step05

    殺菌

    巨大な殺菌釜に入れ、約120℃で約30分殺菌する。殺菌後に冷却し、風味や内容量などの検査を行う。

  6. step06

    包装・出荷

    2袋を1パックにセットする。テープどめは手作業で行う。

    1袋は180g。食べきりにぴったりのサイズです。

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『産直小豆ゆであずき』

※本ページの内容は2011年1月時点の情報です。2015年11月一部更新しました。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。