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2015/04/13
イベントレポート
講演会レポート

「原発事故被害の現状を知る講演会〜今必要な「住宅」「健康」「保養」「賠償」〜 」を開催しました

4月7日、障害者スポーツ文化センター「横浜ラポール」にて、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(略称:SAFLAN)の福田健治弁護士を講師に招いて原発事故被災者の権利と現在の課題についての学習会を開催し、組合員と役職員およそ70名が参加しました。

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(略称:SAFLAN)の取り組み

東京電力福島第一原発事故から4年が経過しましたが、原発事故の被害に悩む多くの人たちの救済や権利の確立はすすんでいません。

「現在は、事故を発生させた電力会社が被災者の賠償にあたっていますが、国民の健康と権利を守るという意味で、国が被災者を支援する責任があるのではないか。とくに、福島の子どもたちの将来が心配されます。健康への影響も心配ですが、住宅と生活の再建に多くの費用がかかり、教育費のひっ迫もおこってきます」。このような思いから、福田弁護士をはじめとする子育て中の若手弁護士が中心となり、福島の子どもたちの健康と権利を守るために法律家という専門性を生かした支援を行っています。

講演する福田弁護士
講演する福田弁護士

原発事故から4年、避難する権利ととどまる権利

「今回の事故の特徴は、いろんなことが不確実であること。つまり除染したとはいうものの、それがどれだけ安全になったのかわからない、影響を受けた地域に戻れるのかわからない、働く場所が戻ってくるかわからないなど確実なものがないなかで、被災者が自分たちの将来を決めなければならない、という現実があります」と、福田弁護士は語ります。

福田弁護士によると、「重要なのは、それぞれの選択をきちんと尊重していくこと。避難を選んだ人には避難先できちんとした生活ができるように、福島にとどまることを選んだ人には、被災地で放射線を避けながら生活していける環境を確保していく」、これを実現するには継続した支援が大切だといいます。

「被災地にとどまることを選んだ被災者、とくに子どもにとって放射線量が低い地域への保養は有効です。放射線量を気にせずにのびのびと過ごせる、わが子に外遊びを思いっきりさせられる。短い保養期間では体内の放射能低減までには至らないものの、気持ちをリフレッシュすることによって不安が軽減されることは、非常に意義がある」ということでした。

子ども・被災者支援法の成立と限界

2012年6月に成立した「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(子ども・被災者支援法)は、“放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない”からこそ、被ばくを避けながら被災地に住み続けることも、避難することも、避難先から帰還することも、権利として選択することができることを保障しています。

この法律は、画期的な制度として異例のスピードでしかも自民党から共産党まで全会一致で成立しました。しかし、その後この法律を具体化するために2014年10月にようやく定められた基本方針では、支援対象地域も福島県の一部に限られ、避難者に対する支援がきわめて乏しい内容にとどまっています。

熱心に聞き入る参加者

「4年という歳月が経過するなかで、仮設住宅の耐用年月も超過してしまい、災害救助法に基づく住宅借り上げ制度の適用期日も2016年3月までと迫っています。被災者支援のために、早急に以下の5点の施策が求められている」と福田弁護士は説明します。

(1)生涯にわたる健康診断や医療費の減免など、健康診断の改善と拡大
(2)国際的な勧告に基づく公衆の被ばく限度である年1ミリシーベルトを遵守
(3)保養を制度として確立させ、少しでも多く子どもたちに保養の機会を与える
(4)公営住宅への入居にあたっての条件の緩和
(5)原子力損害賠償紛争解決センターで示した和解案受け入れの義務化による賠償の確保

今なお、震災被害に苦しんでいる人たちの現状を知り、私たちにできることは何か、ともに考える講演会となりました。

参加者の声

  • 福島県内在住の方々の現状、避難(自主避難も含む)されている方々の現状に思いをはせ、「自分だったら」と考えて活動していきたい。
  • 自分が当事者となり、長期にわたって以前の生活に戻れない絶望を感じたとき、自分自身、生活できていけるのだろうか。そう思うと福島や被災者の現状を知ることが、年を経るごとにますます必要になると感じた。
  • 神奈川でいつもの生活ができるわたしたちは、ついつい原発どころか震災さえも過去のものにしがちなことを反省した。

パルシステム神奈川ゆめコープは、震災直後から手探りでさまざま支援を続け、福島に寄り添ってきました。そのひとつとして、2013年に「『原発事故子ども・被災者支援法』の幅広い早期実施と賠償の時効問題の抜本的な解決を求める請願署名」に取り組み、11,992筆の署名が集まりました。しかし、このままでは救済されない被害者が数多く出てきます。今一度、政府に支援策の実施を促すため、ぜひ請願署名へのご協力をお願いします。

「原発事故被害者の具体的支援策を求める請願署名へのご協力をお願いします」のニュースはこちら→

※2013年にご協力いただきました署名とは別の請願になりますので、再度の署名をお願いします。