「JA新みやぎで稲刈り体験」を開催しました
10月4日~5日の2日間にわたり、宮城県の米産地JA新みやぎで産地交流会「JA新みやぎで稲刈り体験」を開催し、組合員24名が参加しました。
JA新みやぎ「みどりの地区」は宮城県大崎市、涌谷町、美里町を管内とし、パルシステムで取り扱っている『有機宮城ひとめぼれ』『宮城ササニシキ』『エコ・宮城つや姫』『宮城金のいぶき』などのお米の産地です。
黄金色の田んぼで稲刈りを体験
1日目は、JA新みやぎの田尻地域にある生産者高山さんの田んぼでの生きもの観察からスタートしました。この時期の田んぼでは、秋の風物詩「赤とんぼ」をたくさん見ることができます。
この日は、大崎市職員の鈴木さんに解説していただきながら、生きもの観察を行いました。網で赤とんぼを捕まえて、アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボの3種類の赤とんぼの観察を行い、それぞれの羽の模様の違いや、雌雄の見分け方、産卵の様子の違いなどを教えていただきました。赤とんぼ以外にも、イナゴや冬眠前のアマガエルなど、数多くの生きものを見つけることができ、化学合成農薬・化学肥料を極力減らし環境に配慮した農業に取り組んでいる産地ならではの体験をすることができました。
生きもの観察のあとは、いよいよ稲刈り体験です。この日は晴天に恵まれ、生産者のみなさんもご自身の田んぼの稲刈り作業があるなか、時間を割いて多くの方が集まってくださいました。参加者は生産者から直接、稲を刈る鎌の使い方や束ね方を教わり、手刈りを体験しました。コンバイン(稲刈り機)の乗車体験では、はじめは大きな音を立てて走る様子に驚きながらも、生産者といっしょにコンバインへ乗って稲刈りを行いました。コンバインで稲を刈ったあとの田んぼには排出された稲わらが残りますが、稲わらは牛のエサになり、その牛の糞を堆肥にも利用するそうです。使用する資源を循環させ、自然環境への負荷を軽減する「資源循環型農業」への取り組みを知ることができました。

捕まえた赤とんぼを観察

昔ながらの手刈りに挑戦

手刈りした稲を乾燥させます

コンバインの乗車体験
宮城ひとめぼれを使用したお手製のおにぎりをおやつにいただいたあとは、高山さん宅に移動してお米の乾燥・調製施設の見学を行いました。
コンバインで刈り取った籾(もみ)を乾燥して、籾摺りから色彩選別機(玄米を袋詰めする際に、異物や変色した不良品を取り除く機械)を通して、玄米が出てくる一連の作業を見学しました。30kgの米袋に入った玄米を運ぶ作業も体験しましたが、ひとりではなかなか持ち上がらず、参加者同士が協力して、袋詰めされたばかりのお米を運ぶお手伝いをしました。

高山さん宅の乾燥・調製施設を見学

力をあわせて運びます
長なすの収穫体験と米倉庫の見学
2日目の最初は、田尻地域の生産者只野さん宅で長なすの収穫体験を行いました。
今回収穫したのは、仙台特産「庄屋大長なす」という種類の、長さが30cm以上にもなるなすです。只野さんには、子どもたちから「どうして曲がるの?」「作っていていちばん大変だったことは?」など、次々に出る質問にお答えいただきながら、庄屋大長なすの特徴やおいしい食べ方や収穫の仕方を教えていただきました。
そのあとは、米倉庫を訪れました。稲刈りの時期を迎え、倉庫内には26,000袋(およそ780トン)のお米が保管されており、参加者はあまりの数に圧倒されている様子でした。生産者からは「倉庫中に米のかおりがするこの時期になると、秋が来たと感じる」というお話があり、米産地ならではの秋の訪れを、生産者とともに味わうことができました。

圧巻の米倉庫

フォークリフトで運ぶ様子
次に向かった加護坊山では、見渡す限りの田んぼと畑に囲まれた景色を楽しみながら、生産者西澤さんに世界農業遺産に登録された大崎耕土や加護坊山の歴史を教わりました。
昼食に、生産者やJA職員と地域の野菜をふんだんに使った芋煮とおむすびを味わい、2日間に渡る交流会は終了しました。

西澤さんの話に耳を傾ける参加者

生産者といっしょに記念写真!
参加者の感想
- 遠く離れた宮城県まで移動して、お米を届けてくださる生産者・かかわりのある方々がお住まいの土地で同じ空気を吸って学べたことが貴重でした。
- お互いがお互いのことを思い合って、この国の農業生産の向上と維持に協力し合うことができたら未来は明るいと思います。
- どうかおからだに充分お気をつけいただいて、これからもおいしいお米をお願いします。