パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

  • 食と農 産地交流

オンラインで「青森の卵産地『トキワ養鶏』とつながろう」を開催しました

8月23日、トキワ養鶏の産地とつながる企画を開催し、16家族18名が参加しました。

青森県津軽地方は豪雪地帯で気温が低く日照時間も短い。冬には農業ができず、昔は仕事を求めて関東地方などに出稼ぎに行ったため、「冬の青森の家にはお父さんがいない」といわれました。「常盤村養鶏農業協同組合」(略称トキワ養鶏)は、1960年12月に「出稼ぎ者が多い青森の豪雪地域に働く場所を作る」「新鮮で手軽に入手できる卵の供給」「米作りに必要な堆肥の供給」などを目的に17名で設立。当時は福島県以北での大規模養鶏は困難と言われていた中、寒冷地での養鶏技術を確立。また、第1回FOOD ACTION JAPAN大賞、農林水産大臣賞や第18回環境保全型推進コンクールでも最優秀賞を受賞するなど、飼料米の取り組みや鶏糞の完全堆肥についても全国的に注目されている産地です。
今回のオンライン企画は前半で卵の学習会、後半はりんごジュースで乾杯し、卵を使った郷土料理の紹介や津軽弁講座を通して産地の文化も楽しみました。

トキワ養鶏グループの拠点を動画で紹介(養鶏関連)

最初に、ふだんは見ることかできない十和田育成センターの元気な雛の様子や、東北町のケージ飼い鶏舎と藤崎町の平飼い鶏舎について動画で説明を受けました。クラシック音楽が流れる平飼い鶏舎を自由に歩き回る純国産鶏種「後藤もみじ」が産卵箱に入り産卵。GPセンターに届いた卵は、グレーダー洗卵選別機で判別され、汚卵やヒビ卵、血卵が取り除かれ、光などによる検品だけでなく人の目でもチェックして、パルシステムのセットセンターに出荷されます。

元気いっぱいのヒナ鶏たち

藤崎町の平飼い鶏舎

トキワ養鶏グループ

今では県内にトキワ養鶏グループとして本部以外に以下の5つの拠点があり、現在のトキワ養鶏グループの従業員数は91名となっています。

  1. 雛を育てる「十和田育成センター」(十和田市)
  2. ケージ飼いで卵を生産「有限会社 トキワ養鶏」(東北町)
  3. 平飼いで卵を生産「農事組合法人 トキワ養鶏」(藤崎町)
  4. 青果生産部門(りんご、にんにく、トマトなど)「農事組合法人 八峰園」(藤崎町)
  5. 卵の検品と格付け、パック詰め「GPセンター」(藤崎町)

こだわりのりんごジュースも大好評

青森県内の生産拠点

パルシステムの飼育基準とトキワ養鶏の国産飼料へのこだわり

パルシステムの産地では、飼料のトウモロコシは非遺伝子組み換え、ポストハーベストフリーで、自然の光と風の入る鶏舎で飼育しています。『産直たまご』『産直こめたまご』の鶏はケージ飼い。『産直たまご』には、国産飼料を使用するという基準はないものの、トキワ養鶏では飼料米を25%配合。『産直こめたまご』は飼料米配合基準20%以上(トキワ養鶏では25%配合)。『コア・フード平飼い卵』は、光と風が入る鶏舎内を自由に動き回れるアニマルウェルフェアを考慮。飼料国内自給率向上を目指し、飼料基準を国産飼料10%以上としています(トキワ養鶏では飼料米30%配合)。『トキワの玄米たまご』では、飼料米の配合をさらに増やし68%としています。給餌と集卵以外にも鶏舎担当が鶏舎内を巡回し、平飼い鶏舎で鶏のいじめがあった場合には群れから離して療養室に入れるなど、鶏のストレスの軽減に努めています。また、鶏は暑さに弱く餌を食べる量が減るため、鶏舎の屋根に散水して鶏舎内の温度上昇を抑えます。さらに7~9月には通常の給餌に加え、涼しくなる夜中0時にも1度給餌するなど、鶏の健康管理にはさまざまな工夫があるそうです。

作業しながら鶏の状態もチェック

たまごの出荷先と飼料米の配合比

鶏糞の活用

「有畜複合型農業の確立」と「資源循環型農業の確立」を飼料米生産の基本としているトキワ養鶏の鶏糞は、発酵鶏糞堆肥となり、地域の農家でも飼料米や野菜などの栽培に活用され高い評価を受けています。鶏舎の悪臭については、1994年にBMW技術を導入し、生物活性水を鶏舎の洗浄や鶏の飲み水として使用することで、匂い軽減などの効果があるそうです。
※BMW(バクテリア・ミネラル・ウォーター)技術を導入し、土の中のバクテリアと石のミネラルを利用して汚水を浄化した生物活性水

飼料米の取り組み

輸入に頼らない飼料づくりをめざすトキワ養鶏の挑戦の始まりは2006年。行政に飼料米栽培を相談、休耕地に作付けた飼料米が予想を超える収穫となりました。地元の農家に飼料米生産協力の説得を重ね、2008年には15戸だった協力農家が、現在では70戸以上に増加。地元農家の協力で「トキワ養鶏飼料米(環境保全型農業)栽培条件」で栽培されたモミ米を全鶏種に給餌しているそうです。

飼料米生産で地域と連携

藤崎町の慣行栽培は減農薬基準です

『トキワの玄米たまご』の黄身は淡い黄色

輸入トウモロコシを減らし、飼料米の割合を増やすと黄身が黄色に変化。さらに飼料米に切り替えると淡い黄色になりました。テレビなどで全国に紹介されているトキワ養鶏の『こめたま』と、パルシステムの『トキワの玄米たまご』はネーミングの違いだけで中身は同じだそうです。「青森県内のケーキ屋さんや飲食店だけでなく、東京のレストランでもこだわりの食材として使用されているので、ぜひみなさんもご自宅で『玄米たまご』の白い玉子焼きやオムレツ、プリンなどを楽しんでください!」とのことでした。

黄身の色に違いにびっくり

八峰園のりんごジュースで乾杯!

津軽の文化を知る

「青森のたげめえ(とても美味しい)郷土料理」では、「たらたま」「卵みそ」「茶碗蒸し」を紹介。青森の茶碗蒸しは「栗の甘露煮を使う甘い料理」、関東では「栗ではなく銀杏」ということに互いに驚き、青森との食文化の違いを実感しました。また、『トキワの玄米たまご』で作られた郷土料理の白さも画面越しに確認できました。 「ちょっとした津軽弁講座」では、小野さんと三上さんが実演を交えて楽しく説明。年代により訛りの濃さには差があるそうです。

たまごと鶏の豆知識

「たまごの〇×クイズ」では、「コケコッコーと鳴くのはオスだけ」の答えは〇。参加者からのメスの鳴き方についての質問に、三上さんが「クッ、クッ、クー」とメスの鳴き方を披露。
質問コーナーのあとは、「へばなー!」(さようなら)と皆で手を振り、たくさんの笑顔で終了となりました。

青森が身近に感じられた津軽弁講座

みんなが津軽弁で笑顔の「へばなー!」(さようなら)

参加者の感想より

  • クイズとても楽しかったです。郷土料理も作ってみたいと思います。
  • ていねいに育てている様子を知ることができました。
  • とても楽しかった。オンラインなので参加できました。リンゴジュースおいしかった。「玄米たまご」も買ってみたい。
  • 津軽弁はフランス語のようで聞いていると気持ちがよくなります。トキワ養鶏の卵をいつも購入しているのでとても興味があり参加。おふたりの津軽弁が心地よかった。今回トキワの玄米たまごを注文し、楽しみにしています。
  • 津軽弁が愛おしかったです! これからもよろしくお願いいたします!
  • 初めてのZoomでしたが楽しかったです。
  • 津軽弁講座、楽しかった! 弘前に行ってみたいと思っていて、地図を見たら藤崎町と近かった!茶碗蒸しに栗の甘露煮。試してみたいと思います! 楽しい時間をありがとうございました!
  • アニマルウェルフェアを大事にしたいので平飼いの卵のみを購入。玄米卵は平飼い、国産飼料率が高いのでとくに安心。今後もぜひ、平飼いの鶏さんを増やしてほしいです。がんばってください!
  • すごく楽しかった。トキワ養鶏のおふたりの人柄にほっこり。早速、「玄米たまご」購入。白っぽい黄身が気になります! 紹介されたレシピも作ってみようと思います。商品のことが知れてよかった。

お知らせ

*トキワ養鶏の卵を使用した加工品

『素材で選ぶマヨネーズ』

『味わいマイルドマヨネーズ』

『マヨネーズタイプ カロリーハーフ』

*『トキワの玄米たまご』のご注文について
『トキワの玄米たまご』はインターネット限定商品のため、通常の商品カタログには掲載されておりません。パソコンやスマートフォンにてご注文ください。