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「前向きになれる『シニア生活のお話』」を開催しました

5月26日、オンライン講演会「~安心してくらす♪ FPができること~前向きになれる『シニア生活のお話』」を開催し、30代から80代までの組合員・役職員約130名が参加しました。

この講演は「シニアの生活設計はどう考えていけばよいのかむずかしい」という組合員の声にこたえ、行政で生活にお困りの方の家計相談員をされているファイナンシャルプランナーの中森順子氏を講師に迎え、『シニアのライフプラン』をテーマに開催しました。

老後2,000万円などの「情報に振り回されない」

当日のレジュメと中森氏

まず、中森氏は「老後に2,000万円が必要という報道を覚えていますか」と問いかけました。
この言葉はひとり歩きし、皆が不安になりました。が、そもそもこの数字はどこからきているのか。中森氏は根拠となる数字を図で解説したうえで、「これは統計データの平均値であり、自分に合っているわけではない。大切なのは平均ではなく、自分にあった数字を見つけること。自分がどうくらしたいかにより、数字は変わってくる」と話しました。
また、いずれは認知症など自分の意志だけではどうにもならないときのことも視野に入れ、シニア生活の準備をしておく必要性についても説明。社会保障制度や収支バランス、支出の優先順位など、家計を把握し整理する方法を具体的に紹介しました。

講師自身の具体的プランを交えた説明はイメージしやすく、参加者からは「わかりやすい」などのメッセージが届きました。

自ら管理ができるように

後半は『お金を得る方法』と『お金に関する行動のコントロール』について解説がされました。
お金を得る方法では、働くことだけではなく、家計相談員をされている中森氏ならではの社会保障制度を利用する考え方が示されました。中森氏は「社会とのかかわりに不安がある方への行政の支援」も紹介し、「家族が収入を得ることで、支える側の支出が減り、結果的にお金に余裕ができる」と話しました。
また、「生活保護について誤解している人もいるので知っておいてほしい。生活保護は私たちの権利であり、困ったときには誰でも利用できる制度である。バッシングを真に受けず、困ったときには相談に行ってほしい」と語りました。
そして『お金に関する行動をコントロールする』方法として、行動分析学について説明。家計管理とは「家計にかかわる行動を管理(コントロール)すること」であることから、講師の消費行動(買い物)を、具体的に感情、状況、結果などで分析。その行動のどこに問題があるのか、なぜその行動が繰り返されるのか、原因を探るために経過をたどる工程は、講師といっしょに消費の体験をしているかのようでした。

『シニアのライフプラン』について解説する講師の中森氏

消費行動の問題や原因を探るためにその経過をたどりました

自らの行動を分析し、望ましい行動を増やす『行動分析学』は大変興味深く、参加者からも次々喜びのメッセージが届きました。大切なことは『自分はどのようにくらしたいか』。シニア生活を恐れず、まず行動してみようと背中をおされた学習会でした。

 

【参加者のアンケートより】

  • お金のことばかり漠然と心配でしたが「自分がどうくらしたいか」が大切と聞き、違った視点を教えていただき目から鱗でした。
  • 講師自身の例が大変わかりやすかったです。人により求めるものが違うことを強調され、大切だと思いました。
  • 生き方そのものを考えるきっかけになりました。夫が先立ち老後どのように生きていこうか悩んでいたので、一歩踏み出すきっかけになりました。
  • 行動分析学で自己分析して、今後のアクションを決めることが大切であると学びました。
  • 2000万円問題は気になっていたのでわかってよかった。家計簿をこれからつけて計画を立てて行きたい。

 

 

※この企画はパルシステム共済連のたすけあい活動助成金を使用して開催しています。