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一番しぼりごま油

香りのよさと軽やかな味わいで人気 遠赤焙煎の一番搾りのごま油を加えてさらに風味アップ

『一番しぼりごま油』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】(2014年2月時点)
竹本油脂株式会社(製造元)
牧野龍夫さん
三輪淳夫さん
平田産業有限会社(仕入れ)
中村竜也さん

世界的に希少穀物のごま 農薬を徹底管理して調達

広大なごま畑

白い花が並んで咲きます

 炒め物やドレッシングに使うと手軽に中華風の味わいに仕上げてくれるごま油。パルシステムの『一番しぼりごま油』も、そんな身近な食用油として20年以上にわたって支持をいただいてきました。でも身近にありながら、そもそも「ごま」がどこでどのように作られているのか、知らない方も多いのではないでしょうか。

 現在、日本では食用油にするごまはほとんど生産されていません。大きな理由は、大変な労力が必要であるにもかかわらず、面積当たりの収量が低いため、日本では農業として成り立ちにくいとされているからです。

 製造元の竹本油脂(株)で長年ごまの調達に携わってきた牧野さんは、「とうもろこしが1ヘクタール当たり7トンとれるのに対し、ごまは単収の低い産地では300〜400㎏、単収の多い産地でも1トン以下に過ぎません」と話します。

 製造元の竹本油脂(株)で長年ごまの調達に携わってきた牧野さんは、「とうもろこしが1ヘクタール当たり7トンとれるのに対し、ごまは単収の低い産地では300〜400㎏、単収の多い産地でも1トン以下に過ぎません」と話します。

 生産地はアフリカ、中南米、インドや中国、ミャンマーなど熱帯、亜熱帯の国が中心。最大の消費国である中国が世界の流通量の約3割を輸入している今、ごまを安定した価格で調達するのはむずかしくなっているのが実情です。

 そんななか、本品のごまはアフリカから入手。牧野さんは毎年現地に足を運び、生産や管理について確認しています。

「やはり安心できる商品をお届けするには、原料がどのように作られているか、この目で確かめたいですからね。とくに農薬や殺虫剤については細心の注意を払ってチェックしています」(牧野さん)

 竹本油脂では第三者機関に依頼し、ごまが日本に到着すると通関前にすべてのロットを検査。農薬を検出したごまは日本に入国させず、安全性を確保したごまだけを使用する体制をとっています。

遠赤焙煎によって追求する より深いコクとほのかな甘み

 ごま油特有の食欲をそそる香りは、ごまを焙煎することによって増します。本品のごまは、間接熱風式と遠赤外線式の2種類の方法で焙煎。間接熱風焙煎は、ごまを入れた装置を熱風で加熱する方法です。

 「直火焙煎という方式もありますが、この方法だと装置を直接加熱するために、こげ臭や苦みなどが発生しやすくなります。間接熱風式ならこげ臭や苦みの発生を抑えながら、ごまそのものの香りを引き出すことができます」と牧野さん。

 もうひとつの焙煎方法、遠赤外線式の最大の特徴は比較的低い温度でもごまの芯まで焙煎できること。また、大量のごまも炒りムラなく焙煎できることです。

「遠赤焙煎を用いたごま油の製造は世界でも竹本油脂だけなんですよ。この方法によって、さらに雑味のないやわらかな風味を実現できるようになりました」と営業担当の三輪さん。そして、このふたつの方法で焙煎したごま油をバランスよくブレンドすることで、本品ならではの香りが生まれるのです。

 しかし、味覚や嗅覚は言葉では伝えにくいもの。また、微妙な修正は機械によって管理できるものではありません。

「さまざまな産地からやってくるごまから、いつも同じ風味の商品を作りお客様に満足していただくことは機械だけではできません。人の感覚による判定はとても重要です」(牧野さん)。竹本油脂では官能士と呼ばれる職人を育て、商品ごとの風味や味わいを守り、伝え続けています。

最大のポイントは搾油方法 「一番搾り」のみにこだわる

巨大な圧搾機で搾り出します

 この焙煎に加えてさらに竹本油脂がこだわっているのが、「圧搾製法です」と牧野さんと三輪さんは口をそろえます。

 焙煎したごまから搾油する方法には、圧搾製法と圧抽製法があります。市場に出回っているごま油の多くは、圧搾後のしぼりかすからさらに有機溶剤を用いて油を溶かし出す圧抽製法で作られています。圧抽製法は油を余すところなく抽出できるという利点がありますが、ごまそのものの風味が変化しやすい面があるといいます。

 一方、本品をはじめ竹本油脂のすべての製品は、ごまに圧力をかけて油を搾り出す圧搾製法で作られています。

「圧搾製法は自然に搾油できる分しか油をとることができませんが、香ばしさと、何よりもごま本来の甘みまで引き出すことができるのです」(三輪さん)

 本品にはその圧搾製法の1回目に採油される一番搾りだけをぜいたくに使用。圧搾の際には摩擦による熱が生じ、回を重ねると、そのたびに加熱による苦みなどが加わっていきます。「一番搾り」は、その影響を最小限に抑えたごま油というわけです。

 「昨年のリニューアルの際には、最近のごま油の主流である濃い味や強い香りに変更することも考えました。でも、本品は長年組合員のみなさんより高い評価をいただいてきた商品です。“基本となる香りや味の調子は変えずにそれ以上のごま油を”というのが、パルシステムから私たちへの課題でした。何度も苦労して試行錯誤を繰り返しましたが、遠赤焙煎の一番搾りをブレンドすることで、より深いコクとほのかな甘みをもつ製品に仕上がったと思っています」。三輪さんはそう胸を張ります。

 世界的に希少性が増すなか、今後価格の高騰も予想されるというごま。その小さな一粒一粒から、最新の技術と人のきめ細やかな力によって豊かな一滴が生み出され、私たちの食卓に届きます。

 まずは調味料として、みそ汁や青菜のおひたしなどにほんの少し垂らしてみてください。ごま本来の奥深い風味が、料理をぐんと引き立ててくれることに驚くはずです。

『一番しぼりごま油』ができるまで

  1. step01

    原料選別

    混じり気のないごま油にするために、風力、磁力などを用いて不純物を取り除きます。

    異物がないかしっかり最終チェック

  2. step02

    焙煎

    A:間接熱風焙煎
    二重になった筒状の焙煎機の外側に約600〜800℃の熱風を通し、内側を通るごまを15〜25分焙煎します。

    このロータリーの中で間接熱風焙煎します!

    B:遠赤外線焙煎
    170℃〜200℃に熱した遠赤外線ヒーターで、ごまを10〜30分焙煎します。

  3. step03

    蒸煮・圧搾

    AとBそれぞれを80〜150℃で蒸煮したあと、40〜80分かけて圧搾します。

    巨大な圧搾機で搾り出します

  4. step04

    静置ろ過

    フィルターに3回かけてろ過し、澱(おり)を取り除きます。

  5. step05

    配合→充てん

    AとBを配合し、容器に充てんします。

    香り高い、澄んだ色のごま油

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調理油だけでなく調味料にも。風味豊かに仕上がります。

『一番しぼりごま油』

※本ページの内容は2014年2月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。