産直小麦のミルク焼きドーナツ

子どもが好きなドーナツだからこそ原材料にこだわり、北海道産の産直小麦を使ってふんわりと焼き上げました。さらに組合員の声にこたえて添加物を削減し、よりパルシステムらしい商品へと進化。甘さひかえめのやさしい味わいも魅力です。

『産直小麦のミルク焼きドーナツ』について詳しく知ろう！

【今回お話をうかがった方】（2025年11月時点）

株株式会社北川製菓守谷さん山下さん
株式会社高山味崎さん
パルシステム連合会商品開発本部丸橋さん

おいしくて安心なパルシステムらしいドーナツを

◆2014年に開発した経緯は

丸橋　当時、子どもに人気のおやつとして、パルシステムではNB商品（※1）のドーナツを取り扱っていました。しかし、「個包装で手が汚れにくく、より安全・安心なパルシステムらしい商品を」との思いから、PB商品（※2）の開発がスタートしました。開発にあたり、組合員約700人にどんなドーナツを食べたいかアンケートをとった結果「原料にこだわってほしい」「添加物をなるべく使わないでほしい」などの声が集まりました。このような声にもこたえるため、パルシステム茨城栃木（当時はパルシステム茨城）の組合員の協力を得ておいしくて安心なパルシステムらしいドーナツの開発をすすめました。
※１ NB商品：ナショナルブランド商品
※２ PB商品：独自開発商品

◆理想のふんわり食感を求めて

守谷　一般的に、ドーナツの原材料であるミックス粉にはふんわり仕上がる外国産の小麦が使われることが多いのですが、本品は産直小麦を使用しています。ただ、国産の小麦は外国産と比べて膨らみが悪い傾向にあります。梅雨がなく湿度が低い外国の気候や土壌と、日本の気候や土壌が大きく異なるためです。そこで注目したのが、外国の小麦産地と気候条件が近い北海道産の小麦「きたほなみ」です。この「きたほなみ」を使い、原材料の配合を何度も調整して理想の膨らみを実現しました。

丸橋　開発したミックス粉のふんわりとした食感を生かすため、焼きドーナツとしました。10回以上の試作を重ね、開発開始から1年半後の2014年にようやく発売に至りました。

生地を機械でドーナツ型に成型します

さらに改良を重ねてパルシステムらしさを追求

◆2017年にリニューアルしたのは

丸橋　開発時、組合員の声にこたえ、添加物はできる限り使用しませんでした。しかし、組合員から「添加物が多いのではないか」という声をいただきました。パルシステムのPB商品では、使用している添加物は物質名で原材料欄にすべて記載するのがルール。そのため、添加物の物質名表示を省略している市販品よりも添加物を多く使用しているように見えてしまうことがあります。ただ、複数の添加物を使用していたのは事実。そこで、さらなる削減に挑戦しました。

守谷　支持されているおいしさと食感はそのままに、ミックス粉自体を改良しました。この改良で添加物のいくつかを削減することができました。さらに、配合の比率などを細かく調整することで、リニューアル前と変わらないふっくらとした仕上がりを維持しています。また、2019年にはトレーをプラスチックから環境に配慮した紙に変更。当社では唯一の紙トレーを使用した商品のため機械にセットできず、一つひとつ手作業でラインにのせています。2020年にはマーガリンをショートニングに変更しました。このショートニングは持続可能な方法で生産された産直提携先のパーム油を原料としています。このように、食感や風味を維持しながら、よりパルシステムらしい商品へと進化させています。