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星槎大学との協定に基づく事例検討会を開催しました ~場面に応じた支援を学ぶ~

生活協同組合パルシステム神奈川(本部:横浜市港北区新横浜、理事長:藤田順子)は12月11日(木)、配送拠点の宮前センター(川崎市宮前区)に学校法人国際学園星槎(せいさ)大学(横浜市青葉区さつきが丘、西村哲雄学長)から講師を招き、「事例検討会」を開催しました。専門的知見をもつ同大学との障害者雇用推進に向けた包括的連携協定に基づき、多様な特性をもつ職員に寄り添う就労支援担当が各場面における対処法への理解を深めました。

事例ごとにアドバイス

事例検討会は、宮前センターと横浜北センター(横浜市緑区)に勤務する就労支援担当の職員とともに毎月開催しています。12月は協定に基づき共生科学部専任教授の平雅夫さんを講師に迎え、先立って実施した物流施設の見学会を振り返りました。平さんは、理論と福祉現場の実践経験などを生かし、当日の支援者の対応について個別にアドバイスしました。

当日の就労支援担当の対応にアドバイスをする平さん(右)

見学会は、障害のある職員13人が、パルシステムの物流拠点の杉戸センター(埼玉県杉戸市)を訪問する研修として実施しました。ふだんの職場とは異なる集合場所だったことから、参加者ほぼ全員が集合時間より大幅に早く到着しました。待ち合わせ場所に支援員が到着しておらず、不安そうに周囲を探しに行った職員もいたそうです。

遅刻する恐怖心からがまんできずに早く来て、待ち合わせ場所から動いてしまうというケースについて、平さんは、「時間感覚は障がい特性により大きく異なること、待機がいくらでもできるタイプや、通常より長く感じるケースがある」と説明します。日々の練習や、事前の想定で、「もしこういうことが起きたらどうする」という想定のもと、電話をかけるなど助けを求めるスキルを準備しておくことが大切であるとアドバイスしました。

移動中の貸し切りバスで、緊急連絡のために支援員が何度か携帯電話でやり取りをする場面がありました。車内の通話は重大なマナー違反と捉え、納得しがたい様子の職員もいたそうです。これについて、平さんは「ルールには例外があること、今回なぜ電話を試用しているかという状況をていねいに伝える必要があります」と説明しました。

センター見学中は、質問が止まらなくなってしまう職員もおり、前向きな姿勢を否定せずに中断できるよう、前もって「1人何回まで」などルールを作っておくなど具体的なアイデアも共有しました。

平さんは、「意思決定の機会があることが大切で、ルールの範囲内で自分が決めるが、自分の意見が認められない場合もあるという経験の積み重ねをしていくとよい」と説明します。支援者も個別の事例を積み重ね、評価すべきことはすぐに本人にフィードバックし、一人ひとりの特性に合わせわかりやすく明確な対応をすることなどをアドバイスしました。また、「いちばん怖いのは、トラブルを経て行事そのものをやめようと会社が判断してしまうこと。1人の集合の練習のためにここまで皆で時間と知恵を使って考えられる職場は本当にすばらしいです」ともおっしゃっていました。

平さんを囲む就労支援担当職員

支援者の専門性向上で多様性を推進

パルシステム神奈川と星槎大学は2025年8月、障害者雇用推進に向けた包括的連携協定を締結しました。障がいがある職員の支援担当者へのメンタルケアなど、星槎大学での相談受け入れや教育、研修の実施を目的とします。

協定により、多様性を尊重し一人ひとりに合わせた学習環境を提供する星槎大学が、特別支援教育などのノウハウを生かし、パルシステム神奈川の職員への教育、研修の機会を設けています。これまでに「アンガーマネジメント研修」(下記関連リンク参照)などを開催しています。今後は、企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)の資格をもつ、就労支援担当職員への個別面談などにも対応していきます。

パルシステム神奈川は障害の有無にかかわらず、すべての職員が安心して働ける職場環境の実現をめざし、共生社会の実現に貢献します。2025国際協同組合年をきっかけに、地域内の多様な組織との連携を広げ、誰もが活躍できる社会づくりをめざします。