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『陽なたのファーマーズ フクシマと希望』上映会&トークイベントを開催しました

3月9日、ボッシュホール(横浜市都筑区)にて、ドキュメンタリー『陽なたのファーマーズ フクシマと希望』の上映会を開催し、54名が参加しました。上映後には、監督の小原浩靖氏が登壇し、映画のテーマでもある「新しい農業のかたち」への思いなどを語りました。

「たべもの、でんき、笑顔も自給」する農業者たち

ドキュメンタリー映画『陽なたのファーマーズ フクシマと希望』で描かれるのは、原発事故から復活し、エネルギーづくりを始めた農業者たちの姿です。原発事故によって廃業に追い込まれた福島県二本松市の有機農業者・近藤恵さんは、農地上で発電するソーラーシェアリング(※)に活路を見出し、若者たちとともにブドウ作りに挑戦されています。また、福島県川俣町の農家の齋藤広幸さんは2012年からソーラーシェアリングを始め、原発事故のために耕作放棄された農地を次々に復活させています。

映画のキャッチコピー「たべもの、でんき、笑顔も自給」のことばどおり、農業者を収入の面で助け、脱原発を促し、農業者が安心して笑顔で農業に取り組むことができるソーラーシェアリングは、持続可能な農業の新しいかたちとして大きな可能性を感じるものでした。

※ソーラーシェアリングとは、農地に支柱等を立てて、その上部に設置した太陽光パネルを使って日射量を調節し、太陽光を農業生産と発電とで共有する取り組みをいいます。営農を続けながら、農地の上部空間を有効活用することにより電気を得ることができますので、農業経営をサポートするというメリットがあります。さらに、増加する荒廃農地の再生利用という観点でも、期待されています。
出典:神奈川県ホームページ ソーラーシェアリングってなに?

会場の様子

小原監督のトーク~ソーラーシェアリングを広めていくために~

映画上映後、小原監督によるトークと質疑応答が行われました。

昨年は猛暑により、福島では大豆が収穫できなかったり、ブドウが色づかなった地域がある一方、近藤さんの農場の大豆は収穫でき、ブドウの色づきにも影響がなかったそうです。ソーラーシェアリングには、適度に日陰ができることで、農作物の品質の安定と作業をする農業者の負担軽減というメリットもあることがわかりました。また、映画の中で、近藤さんの農場に研修で訪れた大学生が、その後さらに多くの学生とともに再訪したことや、映画の中では婚約中だった登場人物のその後のエピソードが語られるなど、小原監督が何度も現地を訪れて、農業者の皆さんと関係を築きながら撮影を進められたことが伝わりました。
最後に小原監督は、「農業者・消費者・環境にメリットがあるソーラーシェアリングを広めていくために、自主上映会を企画したり、周りの人にこの映画について伝えてほしい」と呼びかけました。

トーク後の質疑応答では、太陽光発電パネルの廃棄の問題などについて質問があり、小原監督より太陽光パネルの95%がリサイクルされており、リサイクル率は非常に高いという回答がありました。

終了後はサイン会の時間が設けられ、映画のパンフレット購入の希望者が、小原監督に直接感想を伝えながら交流することができました。

映画撮影のその後のエピソードを語る小原監督

パンフレットにサインをしていただきました

参加者の感想より(一部抜粋)

  • ソーラーパネルは家の屋根に載っているもの…と思っていましたが、この映画を見て、ソーラーと畑がいっしょに使えるということを知りました。スバラシイ!アイデアだと思いました。この映画の内容をまわりに広めていきたいと思います。
  • 太陽光発電機はリサイクルできないとか環境に逆に悪いというSNSの情報を鵜呑みにしていました。映画を拝見し、このような形で農家をバックアップできるシステムが率直にすばらしいと感じました。現場で働く人たちのご苦労を想像し、頭で考えているだけではわからないことばかりです。消費者としては価格や味で判断してしまいがちですが、その背景にある生産者の努力を感じながら、少しでもこのような活動にかかわっていけたらと感じました。

パルシステム神奈川はこれからも、組合員とともに、震災後15年を経たフクシマの今と未来を考える機会をつくり、持続可能な社会づくりをめざします。