パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

  • 食と農 産地交流

「宮城県JA新みやぎで田植え体験」を開催しました

5月27日~28日の2日間にわたり、宮城県の米産地JA新みやぎにて「JA新みやぎで田植え体験」を開催し、組合員8家族28名、役職員を含め33名が参加しました。

JA新みやぎとは、20年以上にわたり農作業体験をはじめ、さまざまな交流を行っています。コロナ禍で3年間は、オンライン交流や参加人数を縮小しての産地交流を行っていましたが、今回は、コロナ禍前と同等の人数が参加して、田植え体験、生きもの観察、地域の見学をとおして、化学合成農薬・化学肥料を極力減らし環境に配慮した農業に取り組んでいる産地や、世界農業遺産について理解を深める交流を行いました。

   

60周年を迎える「ササニシキ」の田んぼで体験

1日目は、宮城県大崎市にあるJA新みやぎ鹿島台地域の生産者鈴木史人さん(パルシステム米栽培研究会会長)の「ササニシキ」の田んぼで生きもの観察と田植えを体験しました。JA新みやぎでは「ササニシキ」の栽培を始めてから今年が60周年を迎えるとのことで、地域の生産者が協力して、例年よりたくさんの「ササニシキ」を栽培しています。

田植え前の作業も体験してほしいとの鈴木会長の提案で、参加者はまず、育苗ハウスの見学と育苗箱(苗を育てる箱)をトラックに積み込む作業を体験しました。元気に育った苗がたくさん詰まった育苗箱は6kg以上と意外に重く、田植えをする際にはこの苗を運ぶのがいちばん大変とのことで、「来年は、田植えの頃にみんなで運びに来てほしいなぁ~」という生産者の声もありました。

育苗箱を運ぶお手伝い

田んぼに移動したあとは、大崎市職員の三宅さんに教えていただきながら、田んぼに入り、網ですくって生きものを捕まえて生きもの観察を行いました。近年では水路の整備がすすみ、水路に住む生きものがなかなか見られなくなっているそうですが、田んぼでは、ニホンアマガエルやトウキョウダルマガエル、ガムシなど、田んぼに生息する貴重な生きものを目にすることができ、持続可能な環境保全型農業を続けている産地の豊かな生態系を体感する機会となりました。

おやつに「ササニシキ」のおにぎりと、きゅうりの一本漬けをいただいたあとは、田植え機の乗車体験や、生産者やJA職員のみなさんに教わりながら苗の手植えを体験しました。

田植え機の乗車体験

昔ながらの手植えを体験

「ササニシキ」の塩むすびでおやつタイム

生産者といっしょに集合写真

世界農業遺産に認定された地域の見学

JA新みやぎ管内を含む大崎耕土は、「持続可能な水田農業を支える伝統的水管理システム」などが認められ、2017年に世界農業遺産に認定されました。水田のもつ豊かな湿地生態系や農文化を知るために、2日目は農家のくらしを支えてきたという屋敷林「居久根(いぐね)」を見学しました。居久根を維持・管理するのは大変な労力が必要となるため、木を切ってしまう家も増えているそうですが、今もなお、広大な庭の北側に風から屋根や家を守るために大きな木がたくさん植えられている居宅には、くるみ・柿・とちなどの木や、わらび・ふき・たけのこなどもたくさん植えられていました。木の実をとって味見したり、くるみ割りを体験させていただき、昔からの生活の知恵を感じることができました。

「居久根(いぐね)」を見学

地域について学んだあとは、宮城県の伝統的な食文化「しそ巻き」作りに挑戦しました。その後、地元の野菜をふんだんに使用した昼食をいただき、2日間にわたる交流は終了しました。

参加者の感想

  • 作ってくださる方がいるからこそ、安全でおいしいお米が食べられる。当たり前なことなのですが、ふだん購入するときには意識せずに忘れてしまっています。実際に産地に行き、生産者の方と交流することで、あらためて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
  • 日本の食生活を支えてくれてありがとうございます! これからも変わらず、おいしいお米を提供してください。
  • 農家の方とのお話、大変勉強になりました。子どもたちも、米づくりやお米を食べることが身近になったようです。
  • 生産者の方もパルシステムの方も私たちに商品を届けるだけじゃなく、沢山の気持ちを込めていただいてることがわかりました。直接交流することの大切さを感じました。

6月には生きもの観察と草取り、10月には収穫体験を開催予定です。お楽しみに!