パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

  • くらし・福祉 子育て

「ピンクリボン学習会 知っておきたい治療と仕事の両立」を開催しました

10月6日、新横浜本部にて「ピンクリボン学習会 知っておきたい治療と仕事の両立」を開催し、組合員・役職員17名が参加しました。

日本人の2人に1人がかかるがん。今回の学習会では、NPO法人CNJ認定乳がん体験者コーディネーターおよびキャンサー・ソリューションズ株式会社登録講師の松井亜矢子氏を迎え、正しい知識や仕事との両立のしかたなどを学びました。

多くの情報が得られる今、正しい情報を集めることが大切

講師の松井亜矢子氏

「日本人のがんの罹患率は上がってきていますが、高齢者を除いた死亡率(年齢調整率)は少しずつではあるけれど下がってきており、医療の進歩が見受けられます。私も医療従事者の学会に行くたびに医療の進歩を実感し、情報の更新が重要だと感じています」と話す松井氏。まず、どのようにがんと診断されるのか、どのような治療方法があるのかという基本知識や、入院ではなく外来治療が増加していたり、入院したとしても入院日数が減少していたりする現状について説明されました。

からだが病気になるのは徐々にでも、がんと診断されるのは突然です。今はインターネットで多くの情報を得られる時代ですが、準備と時間がないなか、どのように正しい情報を集めることができるのでしょうか。松井氏は、正しくすばやく最新の情報にたどり着く方法として、各がん学会のサイトや書籍、国立がんセンターが発信しているがん情報サービスのサイトなどを紹介されました。また、情報を得るだけでなく、病院や主治医・治療法など、自分にとってベストな選択ができるよう、自分も学んで質問・希望や気持ちを伝える「患者力」を身に付ける重要性を説明されました。

治療と仕事を両立するために

ご自身の体験をもとにわかりやすく説明いただきました

がんというと高齢者の病の印象がありますが、データによると患者の3分の1が65歳までに罹患しており、就労世代でもあります。松井氏も会社員として勤務していた30代半ばに乳がんが発覚。ご自身の体験談とともに仕事との両立について話されました。医療の進化と多様化で、治療と生活の共存への望みがあるとはいえ、副作用を伴う生活や通院の時間的拘束など考慮しなければならないこともあります。病気を知った直後の混乱しているタイミングで仕事をどうするかという決断はせず、共存していくために考えることや利用できる制度などを説明されました。また、患者としての気持ちの持ち方や患者の身近な人としての気持ち支え方については、「乗り越えるスピードは人それぞれ。支える側はその人目線になればいいだけ」との言葉に、会場のみなさんも大きくうなずき、心に響いている様子でした。

講演会終了後は、松井氏の個別相談の時間も設けられ、個人的に相談をすることができました。また、会場ではテーブルを囲み交流会を開催しました。交流会では、ご自身や家族の体験談をもとに、医療費や病院の選び方、セカンドオピニオンについてなど、終了時間になっても誰も席を立たないほど、情報や思いを共有することができた学習会となりました。

当組合理事より「たすけあい活動助成金」についての説明の様子

※今回の「ピンクリボン学習会」は、パルシステム共済生活協同組合連合会(以下、パルシステム共済連)の「たすけあい活動助成金」を使って運営されました。パルシステム共済連では、保障事業の剰余を契約者へお返しするだけでなく、よりよい地域社会の構築に向けて、組合員が自主的に行う子育て支援や福祉助け合い活動、ライフプランニング活動、健康維持活動を助成という形でサポートしています。