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『たねと私の旅』映画上映&講演会を開催しました

7月11日、関内ホール(横浜市中区)にて『たねと私の旅』映画上映&講演会を開催し、組合員175名、役職員20名の計195名が参加しました。

映画『たねと私の旅』は、母の家庭菜園の作物を食べて育ったカナダ人女性が、都会での一人暮らしをきっかけに米国やカナダに遺伝子組換えの表示義務がないことを疑問に感じ、何が起きているのかを知るべくカメラを携えて外の世界へと向かっていくドキュメンタリー映画です。まず、たねと食とひと@フォーラム共同代表であり、2006年6月から2013年6月までパルシステム東京理事長も務められていた吉森弘子氏による「ゲノム編集と食の安全・安心」の講演から始まり、映画の上映となりました。

ゲノム編集技術とは?安全性は?

映画『たねと私の旅』を語る吉森氏

「ゲノム編集は品種改良の一つです。品種改良と聞くとホッとする感じがしますが、品種改良にもいろいろあります」と説明を始めた吉森氏。ゲノム編集技術は、従来の遺伝子組換えと比べてどこが違うのでしょうか。

ゲノム編集技術は、「どこの遺伝子を組換えるかを指定できるため効率的で確率も高く安全であり、また、あえて種の壁を越えない開発をすることで安心感があると考えられている」とのことでした。具体的な食品への応用例は、GABAが豊富なトマトや肉厚なマダイなどです。

しかし、新しい遺伝子技術にはまだわからないことが多く、消費者の知る権利・選ぶ権利のためにゲノム編集技術応用食品に表示を行うことが求められますが、種の壁を越えないゲノム編集技術は科学的な検証が困難とのこと。吉森氏は、「科学的な検証が困難であれば社会的な検証を検討すべき」と話されました。

また、当日は署名用紙「すべてのゲノム編集食品の規制と表示を求めます」に多くの参加者が署名して提出されました。

私たちは何を選ぶ?

多くの組合員にご参加いただきました

吉森氏の講演会後、映画『たねと私の旅』の上映となりました。遺伝子組換え・ゲノム編集に関する現状を講演会で学び、真剣な表情でスクリーンを見つめる参加者のみなさんでしたが、美しい家庭菜園の風景やおいしそうな料理の数々に空気が和らぎました。

 

 

 

そんな中、遺伝子組換え(GM)食品への表示義務を設けなかった政府への取材申し込みを拒否される様子や、企業が開発するGMのたねの影響により農家が「たねを採る自由」を奪われていることなどを観て、私たちには何ができるだろうと考えさせられたのではないでしょうか。

「台所は畑から始まる、そして、選ぶことから食が始まる」と吉森氏が講演会の冒頭で話されていましたが、遺伝子組換えやその表示制度について知り、選ぶことが食の安全・安心につながると感じられた上映&講演会でした。