市民活動応援プログラムの支援団体について、各団体の訪問・ヒアリングを行い、支援金の使途状況や近況などを確認し報告します。

  • 第25回助成
  • 子どもの健全育成

ぬくもり

当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。

ぬくもり

ぬくもりは、小学校高学年×少人数の子どもたちの放課後の居場所として、横須賀市の古民家で活動を行っています。自然豊かな環境で、子どもたちは自作のアスレチックで遊んだり、ときには焚火や料理を作ったりしながら過ごしています。烏骨鶏やヤギもいます。子どもたちの可能性を広げるため、多くの価値観に触れることのできる機会を用意しています。

所在地:横須賀市

【支援金、賛助金活用状況】
子どもたちのための物品購入、ひとり親家庭の経済的負担軽減(おやつ、長期休暇時の昼食代)、スタッフ人件費に使用します。

【訪問時にうかがった活動の現状】
ぬくもりを活動の一部とする団体は、2025年1月末にNPO法人化しました。これは、活動開始当初は3年を目途としていましたが、子どもたちにとって必要な場所である手ごたえを感じ、活動を継続をしていくという意志のもとなされたことです。
・活動開始当初は、小学校3年生・4年生が10名ほど居場所に訪れていました。小学校卒業までの3年間通ってもらえることを目途としていたということです。しかし3年以降も継続が決まり、募集をかけ始め、今は10名ほどが通っています。メインは小学校高学年の子どもたちですが、これから高学年になる子たち、居場所に卒業はないとの考えから中学生になった子たちも居場所を訪れています。
・居場所の運営にかかわるのは、学生3名、社会人3名の6名程であり、常時2名がいる形になります。有償/無償は本人のニーズに合わせて(無償という形の方が取り組みやすい方もいる)どちらもいらっしゃるということです。
・近隣の3小学校とは、募集チラシを配布したりと密な関係を維持しているということです。校長先生が変わる際に挨拶に行ったりもしています。
・月謝は現在、1人16,000円/月であり、その減免はないものの、ひとり親家庭の子どもも全体の3割ほどいます。

【放課後の居場所という考え方】
代表の方いわく、「ぬくもり」は「学童」ではなく「居場所」であるということで、「生活指導」という側面より「子どもの放課後におとなは介入しすぎない」という思いが強いとのことでした。また、子どもたちの居心地のよさを考え、運営人員は若い年齢の方が多いです。
横須賀市内の民間の学童は40~50人/1施設の規模が相場で、ぬくもりはその面でも平均的な学童とは違う個性をもった場所です。

【ぬくもりの価値】
謳っている「少人数」「高学年特化」の放課後の居場所ということ。そして、学校にフリースクールがあるように、放課後にも学童以外の居場所の選択肢があっていいという考えがあります。「学童をやめたら、親は仕事を辞めざるを得ない。そして子どもは放課後の居場所を諦める」のではなく、学童以外の選択肢を作るという思いです。

【課題】
自治体などの補助や助成の対象にならないのは、ぬくもりのモデルが助成元の助成対象事業のカテゴリーに入っていないということがあります。こども家庭庁は子どもの居場所の必要性について言及していますが、実態や現場におけるニーズには充分に寄り添えていないようです。
ぬくもりモデルを横浜・川崎などから他地域への展開もしていきたいという思いもあります。それには、運営にかかわる(子どもたちと接する)人材の育成が課題です。低学年の子どもと比べて自我が発達してきている高学年の子どもと接する際には、おとなの言動や態度が問われるためです。

子どもたちが過ごす古民家の一室。卓球台や漫画などがあります

広いキッチン。子どもたちが使うこともあります

庭にはヤギがいます