市民活動応援プログラムの支援団体について、各団体の訪問・ヒアリングを行い、支援金の使途状況や近況などを確認し報告します。

  • 第25回助成
  • 子どもの健全育成

特定非営利活動法人 メダカのお弁当

当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。

特定非営利活動法人 メダカのお弁当

充分な食事を得ることができない子どもやご家庭に手作りのお弁当などを無料でお渡しし、自立に向けた支援を続けていくことを目的に設立。当法人の活動は食事支援を通じ子どもたちの将来を支え、さらには皆が思いやりをもって生きられる「あたたかい」社会の形成につながると考えています。また、2024年1月より無料学習支援の活動も本格化しています。
子どもたちとご家庭の「いま」を支えるための食事食材支援「メダカのお弁当」と子どもたちの「これから」「みらい」を応援する無料学習支援「メダカの学校」の両輪で地域と社会に貢献することをめざして活動しています。

所在地:相模原市、伊勢原市
ホームページ:メダカのお弁当 https://medakabento.com/
       メダカの学校 https://medaka-no-gakko.org/

*メダカのお弁当概要
・2025年4月より365日毎日
・予約制(公式LINEにて)
・利用条件あり(申請フォーム要入力)
・一日平均約20食/デザート付き/ご希望のご家庭にはおにぎりもつきます
・子どももおとなも無料
・お渡しは朝7時以降10時まで
・経済的にお困りの子育て世帯対象

*メダカの学校概要
・無料学習支援(教材も無料)
・有料塾に通っていないお子さん
・対象は、小学1年生~中学3年生(※教室により対象が違います)

<2025年7月21日時点>
・6教室が開校
■第1教室「相模原二丁目教室」 相模原市中央区相模原2-12-1
第1・第3土曜日 10:00~12:00
■第2教室「伊勢原八幡台教室」 伊勢原市八幡台2-15-1
毎週月曜日・水曜日 15:30~18:30
■第3教室「清新教室」 相模原市中央区清新3-16-1
毎週土曜日 16:00~18:00 
■第4教室「相武台ひばりカフェ教室」 相模原市南区相武台団地2-3-5
第1・第3月曜日 17:30~19:30
■第5教室「東京ガスライフバル相模大和ショールーム相模大野教室」 
相模原市南区相模大野5-8-18 東京ガス相模ビル
第2・第4土曜日 10:00~12:00 
■第6教室「相模湖教室」 相模原市緑区与瀬1134—3
・第1第3日曜日 10:00~11:45

<今後、2教室開校予定>
■第7教室「相模教室」  2025年9月1日開校予定
・第1第3月曜 16:30~18:30
■第8教室「習字教室」 2025年9月6日開校予定
・第1第3土曜 13:30~15:00

【訪問】
当日は、「オープン型メダカの食堂(メダカの学校・伊勢原八幡台教室)」にうかがいました。
メダカの食堂(2024年6月スタート)は予約不要、参加費無料、どなたでも参加OK(こども優先)。およそ50食分を用意し、月に1回開催しています。ほぼリピーター、新規は月に数組。無償ボランティア6名の方が配膳など運営していました。11時30分スタート。開始前からご年配の方々を中心に行列になるほどの大人気です。ビーバーリンクやフードバンク支給の食品も配布。自治会からも協力を得て広報は、チラシを各家庭1枚で回覧版につけて配付をしています。ボランティアはもともと利用者の方。自ら、やりたいと声をかけてもらい、かかわってもらっています。
また、この場所は、地域の方に向けて、週2回無料学習塾と食支援を開催しています。食支援を無料塾とセットでやっているのはこの教室だけです。
伊勢原市とは、教育委員会、行政との連携があるのも利用が普及している要因のひとつです。スクールソーシャルワーカーをとおしてくる子どももいて、ここにきている子は、不登校でも学校の登校数にカウントできます(何日来て、どのようなことができるようになったかなどを報告。竹園小学校、桜台小学校)(学校以外の学びをカウントするCOCOLOプランを実施している行政はまだまだ少ないなか、伊勢原市は実施しています)。ここにきている半数くらいの子が該当しています。利用者は小中学生。27名が登録。8教室すべてで77名。男女比は女性が圧倒的に多いです。

【支援金、賛助金活用状況】
無料学習支援「メダカの学校」の継続と発展(新教室「相模湖教室」開校費用および既存教室の維持費などの必要経費と子どもたちへの教材や学習文具などの提供)。食事食材支援「メダカのお弁当」の食材購入費のために申請。
使途としては、「メダカの学校」既存の5教室および新規開校予定1校、計6校の必要経費と教材など質向上のための費用や、食事食材支援のための食費および消耗品購入のために活用。具体的には、無償で配付をしている教材購入費用、その子に合わせたコピー教材、講師の交通費。新規開校の広報費用(チラシなど)、食材購入に活用されていることを確認しました。

【訪問時にうかがった現状や課題など】
<現状について>
・メダカの学校
今回訪問した、伊勢原八幡台教室(以降、伊勢原教室)以外の教室は、条件として親子との面談を行っています。断ったケースもあるとのこと、親はやる気はあるが、子どもがやる気がない場合です。必ず、子どもの意思(やる気)を確認します。所得制限はありません。一方、伊勢原教室は、出入り自由、誰でもOKとしています。しかし、居場所であると同時に学習支援を大切にしているので、時間を区切って学習支援の時間はしっかり勉強できる環境を作っています(居場所と学習支援の同居は学習環境への影響が大きく、成立しなくなるケースが多い)。どの教室にも共通しているのが、なんでもOKの居場所、無料教室ではない。いろんな居場所があるからこそ、子ども自ら自分にあった居場所が選べ、このようにルールを厳しく設けてできる居場所であり教室ができています。地域の分けに多々ある居場所のすみ分けとなっている。伊勢原市のようにまだまだ居場所が少ない地域は、すみ分けがむずかしいため、時間で区切ることで工夫をしています。
また、来年にもう1校(第9教室(おうち教室))を開校予定。今までの教室とは運営が異なります。対象は、来れない子(家を出れない、ひきこもりなど)たち。オンラインでの授業を想定。郵送で、教材等を発送します。無料チャレンジ版です。そこに生活食材もセットにする予定です。対象は、ゆくゆくは全国に広げていきたいと語ってくれました。そのヒントは、AIからいただいというのもチャレンジ精神旺盛な代表のお人柄がうかがえます。また、この取り組みが安定して広がるためにも助成金に頼らないことが必要。そのためにも、利用者を多くし、利用者以外の認知、共感を広げ、企業協賛につなげたい、そのための初期投資、政策であると熱く語ってくれました。

・メダカのお弁当・食堂
農林水産省の政府備蓄米配付を活用。1回の配付が600kg。現状、保管は自宅。年中冷房をつけている。自宅に保管は限界があるため、他助成金にて玄米保冷庫を購入予定。設置場所思案中。600kgは2カ月で消費。お弁当、支援が必要な人へ提供しています。

・ボランティア
・ボランティアは社協の広報のみ。ボランティアは口コミで広がっている。ボランティアはメダカのお弁当には入れない、こだわりが強くて、トラブルになるケースが後を絶たないため。対等かつ善意の活動だからこそ、ボランティアは誰でもOKにしないで選んでいます。悲しいですが、なかには悪意あるボランティアもいるのも事実です。

<今後への想い>
・市民が中心の地域へ。行政は後からくる。市民が率先してやっていく地域にしたい。
・助成金頼りでなく、自分で資金を集め、貢献と生活が成立する(地域貢献)新しいビジネスにしたい。そして若い人たちがやってみたいと思えるビジネスモデルを作りたい。
・資金源としての課題は、利用者だけだと企業支援の説得力が弱いため、利用者プラスアルファを対象に認知、共感の輪を広げたい。経営的な側面としてドミナント戦略を展開。拡大と周知を同時に行う。
・最終的な目標数はない。できるところまではやる。手広く広げているように見えるかもしれないが、対象は狭めている。

<課題>
・こども食堂と違って、学習支援は「学習支援をやりたい」という供給と「学習したい」という需要のバランスが取れていないのが現状。結果が出るのが遅いのもあります(結果が出るのに時間がかかるため、その時点で勉強したいと思いにくく、必要な低学力の子に届けるのがむずかしい)。そのためか、地域に子ども食堂に比べて圧倒的に子どもの学習を支援する場所が少ないのが課題です。ニーズが表面化しにくい。
・教室も増えて、インフラは整ってきて、これからは社会的責任のステージにきている。たとえば、子ども食堂で出たごみは家庭ごみでいいのか、企業ごみとして費用負担が必要なのか。課税も然り。また、配付した食品の転売に対する問題もあります。社会的責任を果たすフェーズに来ている、と自ら問題意識をもって模索されています。そのために10月にはこういった社会的責任をテーマにディスカッションをする場を計画しています。
・来年3月8日には、就労につなげるインクルーシブ進学就労支援フェアを開催予定。40団体参加予定。場所:あじさい会館。子どもたちの経済的な自立をめざして、人材育成をしているという視点で開催します。

【パルシステム神奈川への期待】
・ネットワークの広がり(広報)、マッチング、交流やオンラインミーティングの開催、イベントの後援への期待
・インクルーシブ進学就労フェアへの参加

【その他】
・11月にメダカのお弁当の報告会を開催する。11/29ユニコムプラザさがみはら実習室にて、討論会も同時に行う。

(左)7月メダカの食堂で提供された食事
(右)助成金を使って購入した教材など

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