市民活動応援プログラムの支援団体について、各団体の訪問・ヒアリングを行い、支援金の使途状況や近況などを確認し報告します。

  • 第25回助成
  • 子どもの健全育成

NPO法人 赤ちゃん食堂プロジェクトままな

当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。

NPO法人 赤ちゃん食堂プロジェクトままな

NPO法人赤ちゃん食堂プロジェクトままなは、子ども食堂の赤ちゃん版・離乳食を無料提供する日本初の取り組みです。離乳食完了期までの赤ちゃんとそのご家族の“食と育児”の駆け込み寺となっています。地域ボランティアや栄養士・助産師・保育士・先輩ママらで運営し、離乳食の無料提供やベビー服にベビー用品のリユース・育児相談・赤ちゃんの見守り・地元野菜の収穫体験で地域交流等、親子が孤立しない居場所づくりを行っています。さらに生活困窮世帯には、オムツやミルク・リユースのベビー服などの無償提供による支援を行っています。物価高が続き、苦しい生活を強いられ、赤ちゃんの頃から始まる貧困・虐待が深刻化しています。
この活動は、2024年7月より「NPO法人赤ちゃん食堂プロジェクトままな」として活動しています。


所在地:高座郡寒川町
ホームページ:https://akachanshokudo-project.com/

今回は、赤ちゃん食堂開催後の毎月1回の発送業務を見学するために訪問し、ヒアリングを行いました。

【支援金、賛助金活用状況】
申請は、1回あたりの支援物資(ミルク缶、オムツ、おしりふき、食料品)及び配送料として10,000円/回かかるため、30回分の配送として受けました。
今月は、6世帯の配付予定(毎月6~7世帯発送している)。今年、約半年分の配送分として活用されることを確認しました。対象は、生活保護にもなれない、保育園にも入れないため、仕事をはじめられない(経済的収入手段がない)人たちが多いとのことです。また、このような支援をしているのは全国でも稀なため、県外の方も対象に支援をしています。割合は、県内、県外、五分五分ということです。
支援物資は、ニーズがある、オムツ、ミルク、離乳食を中心に梱包。最近だと行政の備蓄ミルクを子ども食堂経由で寄付をしてもらっています。

【訪問時にうかがった現状や課題など】
①現状
・月2回が赤ちゃん食堂、そのほかは通常の料金をいただいての助産院の食堂を開催。赤ちゃん食堂は、助産院と出張赤ちゃん食堂(2カ所)と3拠点で開催。
・赤ちゃん食堂の予約枠は、16~30枠/月。通常の料金での提供はmamana食堂と名付け約70枠と、毎月合計約100枠を提供しています。アナウンスはとくにしていないが、5分を待たずに予約は埋まってしまう。
・メディアによる広報のおかげで必要としている人に届き、申し込みは増えたが支援の広がりにはつながっていない現状がある。
・ニーズの高さを強く実感。もっと必要な人に届けたく、許容人数を増やすために、地域に出向いて行う出張赤ちゃん食堂の開催場所を増やしている。
・赤ちゃん食堂をやりたいという団体からの問い合わせが毎月数件ある。そのため、赤ちゃん食堂を立ち上げるためのマニュアルを作成し販売している。そこから困窮世帯の紹介、情報共有といった連携にもつながっている。
・企業サポーターを増やすため、当団体からアプローチしてサポーターになってもらっている。物資支援がほとんど。ありがたい反面、在庫を抱えるのがむずかしい現状がある。
・企業サポーターとの関係は、ずっと支援しっぱなしではなく、循環をめざしている。支援してもらった企業(お店)で買い物をしたり、地域の活性にもつなげたい。拠点があると支援の輪はつながりやすい。
・赤ちゃん食堂のおとなのごはんは、基本寄付で賄っているが、食料以外に予約管理費、保険代、人件費(交通費、謝金)などかかる。正直400円は厳しい現状はある。しかし、寒川町の補助金、企業寄付などでなんとか賄えている。
・赤ちゃん食堂をやって4月でまる3年。やってみてやりがいばかり! 3年継続して、手ごたえを感じている。

②課題と想い
・生活保護になるためには条件が厳しい。たとえば、居住場所の変更(市営住宅等)を求められる場合がある。しかし、市営住宅はアクセスも悪く子育て環境にいいとは言い切れないところが多い。かつ子育てで大変ななか、引っ越すということ自体が厳しい。
・二人の子どもがいると同じ保育園に入れない。上の子が入れないと働けない。働くための環境づくりが課題。
・夫がいても借金を抱えていたり、うつ病などの疾病で働けていなかったり、収入がなく困窮している。たとえば、子ども4人で月2万でやりくりを強いられるなど。
・自立を前提に支援をしている。目安として、ひとまず3カ月を掲げている。現状、オムツを履かせていない、ミルクを薄めている、薄めたミルクを3歳、4歳まであげている。こういった生活から脱却をめざしている。一方で、そのために行政支援につなぐ必要があっても、本人が拒絶するパターンもあり、なかなか短期間では自立に結び付けない現状もある。それでも、保育園に入れ自立につながっているケースもある。
・支援物品の管理が大変。毎月1回が限度。配送業務が買い出し、対象者にあったものの選別、郵便局までの運搬と大変。
・働く母親が増えているので、それに保育園の受け入れ人数が追いついていない。
・補助金関連で人件費で使えるものが少ない。人を動かすための資金源の確保が課題。
・赤ちゃん食堂のスタッフには謝礼がなんとか出せているが、この発送作業には謝礼が出せていない。

【パルシステム神奈川への期待】
・県内、県外の支援もしている。配送料がかなりかかり、約1,600円くらいする。(オムツ1個買える)
・課題感の共有と広報を期待。

会場である助産院での赤ちゃん食堂の開催後に発送作業を行っています

     支援対象者に合わせて商品等を選定し梱包しています