一般社団法人かたわら
当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。
一般社団法人かたわら
メンバーは高校時代などから、さまざまな核兵器廃絶の取り組みを行ってきました。自らの体験を語ってきた被爆者は年々少なくなっています。一方で核使用のリスクは年々高まっています。そのために核兵器廃めざす法人を設立しました。
当法人では、核兵器の廃絶をめざして、現場の声を政策決定の現場に届ける政策提言を行っています。G7サミットに渡航して核兵器廃絶を主要議題のひとつにしました。学校などで出前講座を実施し、市民社会の役割を普及啓発し、ユースが主体的に核兵器をなくす活動を行う場所を提供しています。“かたわら”は、「核のない世界をめざすあなたのそばに」の意。
代表コメント:
「社会人になって日々の仕事に追われ、活動から遠ざかっていった先輩たちを見てきました。多くの苦労があることを覚悟のうえで、平和をつくるため、新しい道を歩むことを選びました」
所在地:神奈川県
ホームページ:https://www.katawara.org/
【訪問】
当法人では、「若い世代が平和のためにできることを継続的に考える環境を作る」ために、平和を考える「タイムトラベラーワークショップ」を開発中。ワークショップをとおして、平和を考える環境をユース時代により提供できるよう挑戦しています。今回は、そんなワークショップ作り(ワークショップ2回目の内容について)のミーティングに参加しました。
<ワークショップ内容>
【構成】2日間の日程で構成
1回目:被爆者の人たちの想いをていねいに読み解くためのイメージワーク(証言より)
被爆者が体験したことをイメージ、イメージ後に証言をグループごとに音読する。また、参加者が住んでいる土地の戦争の歴史を学ぶ。
2回目:原爆が投下された時代の背景をいっしょに考える(地図を使って考えるワーク)
1931、1933、1939、1958年の広島市街地を中心にした地図を使用。歴史や土地の変化を見ることで、戦争や原爆について考える機会とする。また、広島でのフィールドワークを通して広島市街地どの場所にもそれぞれの想いや暮らしがあったことを感じてもらいたい。そのきっかけにする。軍事化の背景についてもいっしょに考える。なぜ広島に原爆が投下されたかを地図から読みとる。ここでの学びや気づきをこの2回目のワークショップ後にある、広島市訪問でさらに深め、訪問後の事後振り返りを行うことで平和を考えるだけでなく、平和のためにできることへのアクションにつなげる。
【対象】
・中高大学生、大学卒業後の20代、30代社会人
※今年、西東京市の平和派遣事業を行うことになりました。対象は、中高生10名(73名の応募があり、選考)。今年、同市が広島市に派遣します。その前の事前学習を当法人が担当することになりました。1回目は終了。これから2回目のワークショップを控えています。
【広報】
・社会教育の一環(年代にかかわらず、社会全体で学んでいく)
・社会福祉業界は若い世代が多い。一方、多忙で仕事以外の時間が少ない。だからこそ、自身のため、社会のための研修として、提案。
・つながりのある先生らにご提案している
【支援金、賛助金活用状況】
広島・長崎・沖縄とつながり、若い世代が平和のためにできることを継続的に考える環境を作りたい。そのためには、具体的に何がベストかを検討。結果、被爆者当事者のメッセージを受け止め、平和の大切さを継承できるツール(ワークショップ)の開発を考案。そこで、平和を考える「ワークショップ」の開発資金として、運営メンバー(関東在住)が広島や長崎で調査にかかる費用(研修費や交通費、人件費など)やその他、関東圏の戦争の歴史と今を考えるワーク「(仮称)タイムトラベラープログラム」の開発費用に活用されていることを確認しました。
【訪問時にうかがった現状や課題など】
<平和の現状について>
・率直なところ、後退を感じることが多い。戦争を体験した人たちが減り、同時に平和を継承する人たちがどんどん少なくなっているのではという危機感がある。だからこそ、目の前の人との対話をより大切にしたいと思う。(代表)
・これまで平和について、何かかかわりたかったが、機会がなかった。しかし、当法人とつながることで、これまで見えていなかった平和への需要が実感できた。自分は今まで、平和かかわれる土俵に立てていなかった。今後は、このワークショップの精度を上げたい。今、自分ができることは、同世代に自分がやっていることを伝えること。平和への話題づくりに貢献している。(インターン)
・従来の平和学習は被爆者の方を直接招いて証言を聞くことが多い。ただ発信当事者まかせでよいのかという思いがある。当事者ありきでない平和学習を作り、広げることが大切と感じている。(理事)
<課題>
・平和を作る仕事をしている。人件費をどう捻出するかが大きな課題となっている。今回の助成金は、そういった人件費に充てられ、その意義はとても大きい。若い世代がかかわり続けるための枠組みを作りたい。
・人件費の捻出(短期的)
・開発したワークショップより収入を作る(中長期的)
【パルシステム神奈川への期待】
・学校にご提案することが非常にむずかしい。保護者や子どもたちからのリクエストがあがることが大切と感じる。中高生への教育ツールとして認知するための広報など、連携や協力を期待。
・組合員の親子向けにプログラムを実施したい。それをとおしてプログラムをブラッシュアップしたいし、口コミとして広がることを願っている。

ミーティングはハイブリッドでワークショップ作りについて活発な論議がされていました

ワークショップで活用する地図より何が読み取れ、そこからどう展開していくかを意見交換していました