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二八そば

そば粉には自社農場と岩手県産原料を使用 香りと、しこしことしたコシのよさを大切にした日本そば

『二八そば』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】(2017年12月時点)
株式会社北舘製麺 北舘大輔さん
国分首都圏株式会社 栗原良造さん

国産原料と食べやすさを重視した細めのそばに挑戦

(株)北舘製麺直営のそば畑(岩手・八幡平)

香り、コシ、のど越しのよさの三拍子がそろった日本そばとして支持をいただいている本品。初登場した2003年は、パルシステムが国産原料を用いた加工食品のPB商品(※)化に力を入れ始めた頃でした。

 「当時、一般的な乾麺市場では、中国や北米産の原料を使った太めで歯ごたえのあるそばが主流でした。そのためコシというよりも固さが前面に出て、つるりとしたのど越しのよさを感じにくい面がありました。そこでパルシステムのPB商品(※)は、国産原料を使った、のど越しよく食べやすい細めのそばにしたいと考えました」。パルシステム連合会商品開発本部ドライ食品課の酒井真澄職員は、本品が誕生した背景をそう話します。 

そもそも〝二八そば〟とは、そば粉8割に対して小麦粉を2割配合したそばのこと。そば粉はもともと水を加えたときに粘り気が出にくく、そば粉だけで生地にすると、麺にしたときに切れやすく歯ざわりもぼそぼそしたものになるという難点があります。一方小麦粉には加水すると粘り気が出るグルテンというたんぱく質が豊富です。この小麦粉をつなぎに用い、なおかつ香りや食感のよさを味わうために、そば粉を最大限配合したそばが〝二八そば〟というわけです。

 しかしそういった特有の性質のために、そば粉を高配合した細麺を作ることは非常にむずかしいのだそうです。製造元の(株)北舘製麺(岩手県八幡平市)は創業70年を誇る日本そばの専業メーカーですが、同社でも本品の開発当時は細麺の製造経験がなかったといいます。開発を担った北舘さんは「今でこそ量販店に並ぶ乾麺やコンビニのテイクアウトでも細麺タイプが増えていますが、当時はおもに田舎そばのような太めで固い麺が作られていました」と振り返ります。しかし、本品の商品コンセプトの柱のひとつは細めでのど越しがよく食べやすいこと。同社初となる細麺への挑戦は、手探りの状態から始まったのだそうです。

※PB商品:独自開発商品

そばの生産者として土づくりからスタート

そばの実をチェックする北舘充史社長

PB商品化にあたってのもうひとつの課題である国産原料については、北舘製麺らしさが存分に発揮されました。

本品が開発された当時、同社の周辺では後継者不足などから耕作放棄された土地や放棄牧草地が拡大していました。地域の産業や経済が停滞し働き手も減っていくなか、同社は「私たちはメーカーであると同時に生産者のひとりである」という想いから1991年に農業法人設立を決意。志を同じくする生産者を募り、ともに畑でそばを生産し、製麺までを手がける事業に舵を切ったのだそうです。

とはいえ「広大な敷地で生産者としてそばを育てるのはまさに未踏の領域。今日に至るまで試行錯誤の連続です」と北舘さん。俗に〝そばは土地がやせていても育つ〟などといわれますが、作物である限り、生長の源である土壌が大切なことはいうまでもありません。八幡平周辺は地形の関係で日中でもガスがかかりやすく、そばが生長するのに欠かせない日照時間が不足しがちだという地域特有の気象条件も壁になりました。

 「米が豊作な年には、そばも豊作です。日照時間はそばが育つのにとても大切なんです。そんななかで生産者としてできることは、収穫したそばの実の様子を見ながら土づくりを工夫すること。近年は天候不順への不安が増しているぶん、定期的な土壌分析によって必要な栄養分を補給し、質量ともに安定したそばが収穫できるように努めています」(北舘さん)。

「石臼式」製粉によって香りと風味のよさを守る

室温や湿度を微調整しながら乾燥させます

同社の製粉工場は、自社農場の一角にあります。収穫したそばの実は、鮮度を保つために殻つき(玄そば)のまま15℃という低温で貯蔵。そばの製造に合わせて、そのつど製粉しています。

一般的には大量生産品のそば粉の多くは、金属製のローラー式の機械で製粉されます。ところが金属を使って製粉すると摩擦による熱が発生。そばの実は熱に弱いために、香りや風味が失われがちです。それに対して同社では石臼式の機械を使用。石臼は摩擦熱を発生させず、そのぶん香りや風味をしっかり保つことができるのだそうです。「ですから当社では玄そばの保管から、製粉、製麺にいたるまで、徹底的にそばに熱がかかるのを避けています」(北舘さん)。

このそば粉につなぎとして同じ岩手県産の南部小麦を加えて生地にし、麺状に切って低温乾燥室で水分を飛ばします。この乾燥にかけるのは丸 24時間。じっくりと時間をかけるのは、「早く乾かそうと風を強く当ててしまうと、麺が割れてしまうから」(北舘さん)とのこと。とくに細麺ではそのときの室温や湿度はもとより、生地の温度にまで注意を払ったうえで除湿の設定を微調整するのだそうです。

 長年北舘製麺とパルシステムの間を取りもってきた国分首都圏(株)の栗原さんは、「北舘製麺のように、そばの栽培から製麺まですべてを自分たちの目で確かめながらそば作りをするメーカーは、ほかにないのではないでしょうか。その姿勢からは、安心できる原料で作ったおいしいそばを食べていただきたいという、作り手の真摯な想いが伝わると思います」と話します。

 年越しそばの準備を始めるこれからの季節。シンプルにざるで食べるのはもちろん、天ぷらなど種物をのせた温かいそばにも合う本品を、ご家族みなさんで、ぜひお楽しみください。

『二八そば』ができるまで

  1. step01

    そば製粉→ 混合・撹拌(かくはん)

    玄そばの殻を取り除いたあと、石臼式の機械で製粉。その後、小麦粉、水、食塩などと混合・撹拌(かくはん)する。

    直径約1mの石臼式製粉機。左側の石製のふたを閉じて、そばの実をすりつぶします

  2. step02

    圧延・切り出し→乾燥

    混合・撹拌(かくはん)した原料を延ばして生地にし、麺状に切って低温乾燥室で乾燥させる。

  3. step03

    裁断→包装

    製品のサイズに裁断し、包装材に詰めてでき上がり。

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『二八そば』200g

※本ページの内容は2017年12月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。