パルシステムの商品図鑑:国産丸大豆しょうゆ

パルシステム商品には、商品カタログの中だけでは語り尽くせない、組合員や生産者の思い、開発に携わったメーカーの開発秘話などがあります。『商品図鑑』 ではそのような思いや、こだわり、商品の歴史に光を当てていきます。ひとつの商品から、パルシステムの全体像が見えてきますよ!

おすすめ商品『国産丸大豆しょうゆ』

丸大豆ならではのうまみと豊かな香り 国産原料を約6カ月かけてじっくりと熟成

『国産丸大豆しょうゆ』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】(2016年1月時点)
窪田味噌醤油株式会社 染谷忠夫さん
同 高崎信行さん
パルシステム連合会 ドライ食品課 三上和賢職員

国産原料にこだわったしょうゆ造りをめざして

 『国産丸大豆しょうゆ』を製造する窪田味噌醤油(株)の創業は1925年。パルシステムとは20年ほど前から取り引きが始まり、PB商品(※)『特選丸大豆しょうゆ』を共同開発したみそとしょうゆの老舗醸造元です。

 「今でこそ“丸大豆しょうゆ”はめずらしくありませんが、『特選丸大豆しょうゆ』を企画したころは、脱脂加工大豆という、大豆から油分を取り除いた原料で作られるものが一般的で、大豆を丸ごと原料にした丸大豆しょうゆはめずらしいものでした」。窪田味噌醤油で営業を担当する高崎さんは、当時をそう振り返ります。

創業90年を超える窪田味噌醤油(株)

 製造に手間がかかるため小さな醸造元が地元で販売するくらいだった丸大豆しょうゆですが、油分も含めて大豆を丸ごと使うために、大豆本来のうまみや香りを醸し出しやすく、『特選丸大豆しょうゆ』もそのよさを取り入れた商品として開発されたのです。

 『特選丸大豆しょうゆ』にはカナダ産大豆が使われていますが、「しょうゆは日本人にとってもっとも基本的な調味料。だからこそできれば国産原料で造りたいという想いがパルシステムにはありました」。パルシステム連合会商品開発本部の三上職員は、次に『国産丸大豆しょうゆ』の開発をめざした理由をそう話します。

 国産大豆にこだわったもうひとつの理由は、海外産に比べてうまみが濃いこと。日本では、たんぱく質が多くうまみの濃い大豆が作られており、豆腐製品やみそ、しょうゆなど多くの食品の原料になっているのです。そこで窪田味噌醤油では国産大豆の調達に向けて奔走。歴史あるメーカーの情報網を駆使して国産大豆の市場や流通について調べ、安定した量の確保にこぎつけます。今から6年前の2010年に満を持して登場したのが、『国産丸大豆しょうゆ』でした。

※PB商品:独自開発商品

出来の良しあしは「麹作り」で決まる

 しょうゆ造りを熟知した窪田味噌醤油の染谷さんは「しょうゆは微生物が作ってくれるもの。私たちの仕事は、麹作りからもろみの熟成まで、でき具合を目や舌で確認しながら微生物の働きをサポートすることです」と話します。

 しょうゆの原料は大豆、小麦、塩の3つだけ。その原料から最大限のよさを引き出すための教えとして、「一麹(こうじ)、二櫂(かい)、三火入れ」という言葉があるそうです。 「“一麹”とは、蒸した大豆と砕いた小麦に麹菌をまぶしつけ、しょうゆ麹を作ること。麹作りでしょうゆの良しあしが決まるといっても過言ではない、もっとも重要な工程です」(染谷さん)

高温で超多湿な麹室

 しょうゆ麹を作るのは「麹室(こうじむろ)」という設備。麹菌は温度が上がりすぎると自らの熱で死んでしまうため、室内は常に35℃前後、湿度は約100%に管理されています。さらに室番という夜勤の従業員を置き、麹のでき具合を昼夜を問わず人の目で確認。麹が熱くなりすぎないよう、また菌が大豆と小麦をまんべんなく覆うように、ころあいを見ながらほぐしていきます。

 3日後、しょうゆ麹をタンクに移し、塩水と混ぜて「もろみ」を作り、約6カ月間発酵、熟成させる工程に入ります。この間に大豆のたんぱく質はアミノ酸に、小麦のでんぷんはブドウ糖に変化。うまみや風味が醸成されていきます。「このとき大切なのは、せっかく作った麹菌の力を壊さないように発酵をすすめること。そのために行うのが、“二櫂”といわれる櫂入れの作業です」(染谷さん)。

 櫂入れはタンクの底の部分から内部に空気を吹き込んで行いますが、「櫂入れの目的は、混合ではなくあくまで分解を促すこと。ほうっておいても、かき混ぜすぎてもいけません。ここでも乳酸菌や酵母菌など微生物が主役で、人の役割はその働きを促すことなのです」(染谷さん)。

希少な国産大豆をこれからも守りたい

 熟成したもろみは、何層にも折りたたんだ布地の間にはさみ、上から圧力をかけて搾ります。搾ったしょうゆを加熱するのが、3つめのポイント「火入れ」です。窪田味噌醤油では120℃で15秒加熱。目的のひとつは殺菌ですが、しょうゆ造りで重要だといわれるのは、このごく短い時間で、味や香り、色つやなど、そのしょうゆ「らしさ」が決まるという点にあります。「この段階ではまだ微生物が生きています。すると発酵が続いて味や風味の変化がすすんでしまいます。そこで火入れをし、微生物の力を失わせて変化を止めるのです。同時に、加熱すると香りが強まります。ただし時間をかけるとこげ臭がついてしまうので15秒を限度にし、余熱がまわらないように冷水で一気に冷却します」(染谷さん)。

リユースびんで環境にも配慮

 こうして繊細な目配りを経てできた『国産丸大豆しょうゆ』は、大豆の香りとコクのあるうまみ、豊かな味わいが感じられます。

 「今、国産大豆の生産量はわずか7% 弱(※)。希少な国産大豆を確保するのは厳しいのが実情です。そんななか本品は多くの方から好評をいただいています。生産者、私たち作り手、利用してくださる組合員のみなさんの“環”がつながっているからこそ成り立っているとも言えるでしょう。これからもその環を大切にしょうゆ造りを続けていきたいですね」(高崎さん)。

 私たちの食の土台を支える基礎調味料、しょうゆ。国産原料とていねいな造りにこだわった『国産丸大豆しょうゆ』を、今年もぜひご利用ください。

※平成26年度農水省食料需給表より

『国産丸大豆しょうゆ』ができるまで

1

原料準備

大豆は浸漬してから丸ごと蒸煮(じょうしゃ)。小麦は焙煎して から割砕する。

2

製麹(せいきく)→出麹(でこうじ)→食塩水を加える

大豆と小麦を混合し、麹菌を加えて麹室でしょうゆ麹を作る(製麹)。3日後、麹室から出して(出麹)食塩水を加える。

大豆と小麦に麹菌を加えた3日後、しょうゆ麹が完成!

3

もろみ→発酵

タンクに移し、櫂入れをしながら約6カ月間発酵、熟成させる。櫂入れは発酵の状態によって頻度を変える。

4

熟成→圧搾→生揚げ(きあげ)

もろみをろ布に包み、上から圧力をかけて生揚げしょうゆを搾る。

圧力をかけてじっくりと搾ります

5

火入れ→オリ引き・ろ過→充てん

高温短時間で加熱して酵素を失活させ色と香りを調える。たんぱくオリを3日間かけて沈降し、ろ過機をとおしたあと、充てん。

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※本ページの内容は2016年1月時点の情報です。
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