パルシステムの商品図鑑:いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳

パルシステム商品には、商品カタログの中だけでは語り尽くせない、組合員や生産者の思い、開発に携わったメーカーの開発秘話などがあります。『商品図鑑』 ではそのような思いや、こだわり、商品の歴史に光を当てていきます。ひとつの商品から、パルシステムの全体像が見えてきますよ!

おすすめ商品『いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳』

生乳本来の風味と上品な甘み手間と時間を惜しみなくかけた産直牛乳

いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳

 65℃で 30 分という低温長時 間(LTLT)殺菌で作られる『いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳』。口に含むと、さらっとしていながらも生乳本来の豊かな風味が広がります。低温殺菌牛乳の条件は、細菌数の少ないよい生乳であること。その実現に取り組む産地の思いについて奥中山高原農協乳業(株)の森内さんにうかがいました。

『いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】(2013年2月時点)
奥中山高原乳業株式会社 森内正人さん
パルシステム連合会 産直開発課 横澤雅恵職員

生協とともに歩んできた奥中山の低温殺菌牛乳

 赤ちゃんからお年寄りまで多くの人が利用する牛乳は、品質が厳しく問われる食品です。パルシステムでは『こんせん72牛乳』『酪農家の牛乳』などの産直牛乳を商品づくりの基本のひとつとしてとらえ、組合員のみなさんにその価値を伝えてきました。

 岩手県一戸町の奥中山高原で製造される本品は、そのなかでも2005年に登場と一番新しい牛乳。登場が新しいために、商品開発も最近なのかと思いきや、「いえいえ、本品には生協とともに歩んできた30年以上の歴史があるんですよ」と森内さんは言います。

 「1981年に『こんせん牛乳』が登場したのと同じころ、日本生協連 の商品として、奥中山の低温殺菌牛乳は発売されました。それ以来の取り組みが本品につながっているのです」。パルシステムとは、商品の取り引きこそなかったものの、職員や牛乳の産地との交流をとおしてつながりがあり、お互いの信頼関係を培ってきたといいます。「2004年に低温殺菌牛乳の新たな販路を開拓することになったとき、まずパルシステムに相談をしました。提案を快く受け入れていただくことができたのは、この信頼関係の下地があればこそだったと思います」(森内さん)2004年の打診から1年後の2005年、定評ある奥中山の低温殺菌牛乳はパルシステムの産直牛乳として登場したのです。

輸入穀物飼料は非遺伝子組換え飼料に限定

 本品の特徴は、まず母牛に与える飼料の内容にあります。

 「おいしい生乳は健康で栄養状態のよい母牛でなければ出すことができません。そのためにはデントコーンや牧草など牛にとっての主食(=粗飼料)とおかず(=穀物飼料)を、バランスよく与えることが大切です。奥中山の場合、デントコーンは酪農家自身の畑で100%自給、牧草の自給率も70%にのぼります。いずれも牛舎での作業が一段落する昼間に畑仕事をするんですよ」(森内さん)

 粗飼料の自給率の全国平均は43%といいますから、牛舎から見渡す限りが畑だという奥中山の特徴が、この70%という数字に表れているといえるでしょう。もうひとつの特徴は、輸入穀物飼料を非遺伝子組換え飼料に限定していること。

 「日本の輸入穀物飼料のうち、非遺伝子組換え飼料は4%にすぎません。本品の酪農家は7戸ですが、そのすべてで非遺伝子組換え飼料のみを使っています」(森内さん)

 非遺伝子組換え飼料にこだわるのは、「家畜も人間と同じ生きもの。自分たちが選ぶ安全なものを、家畜にも食べさせたい」(横澤職員)というパルシステムの考え方の基本にも合致。本品がパルシステムの牛乳のトップブランドとして、組合員のみなさんから信頼をいただいている理由のひとつとなっています。

奥中山だからこそできる短時間の産地パック

 生乳が集められるのが、奥中山高原の真ん中に立つ奥中山高原農協乳業(株)の工場です。

 「一般の多くの牛乳は、複数のタンクローリーがさまざまな産地から生乳を集めて一度クーラーステーションに貯め、それを再び乳業メーカーの工場へ運んで製造されています」(森内さん)

 しかしこの方法だと、集乳の段奥中山だからこそできる短時間の産地パック階で、どこの産地でどのように育てられた牛の生乳かわからなくなってしまいます。また移動を重ねるうちに鮮度も失われていきます。

 「奥中山ではその中心にある牛乳の製造工場が、クーラーステーションももっています。とくに本品の生乳は非遺伝子組換え飼料を与えた母牛の生乳ですから、専用のタンクローリーとクーラーステーションが必要です。これを半径4㎞以内に住む7戸の酪農家から、集乳しています」(森内さん)

 1頭1頭の母牛までが明らかな生乳を、しぼってから極めて短時間でパックすることが可能なのは「奥中山がほかの地域から遠く離れた、狭い範囲で固まった地形にあることが大きいと思います。搾りたての新鮮な牛乳をお届けすることについては、どこにも負けないと自負していますよ」。森内さんはそう胸を張ります。

課題は次の世代が理想を継承していけるか

 本品を口にしたときにまず感じるのは、さらりとした口あたり。次に、のどの奥で牛乳らしいやわらかな風味が広がります。

 「生乳本来の風味を損なわない低温殺菌牛乳には、良質な、細菌数の少ない生乳を使うことが重要です」。(森内さん)では、どうしたら細菌数の少ない生乳を実現できるのでしょうか? と尋ねると、「それは手間をかけるしかありません」と森内さん。「牛舎を衛生的に保つために常に清掃を怠らない、搾乳器をそのつど徹底洗浄するなどの日々の管理の積み重ねがあってこそ、よい生乳は実現できるのです」。

 飼料から飼育、製造まで、利用者にとってはまさに理想的な牛乳。しかし酪農家がよいものを作り続けようとしたとき、課題は大きいのが現実です。

 「特定管理などが必要なため、非遺伝子組換え飼料は通常よりも2〜3割高い。本品の価格に反映されているのはその分だけです。どんなに手間をかけて世話をしても、それが価格に上乗せされるわけではありません。厳しい経営環境は世代交代の問題につながっています」(森内さん)

 パルシステムでは、こうした酪農家の思いや状況を少しでも伝えるために、「公開確認会」などをとおして組合員のみなさんとの交流の機会を設けてきました。次の世代の酪農家が安心して生産でき、私たちの次の世代もまた、おいしい牛乳を飲み続けることができるように。ぜひ一度本品をお試しください。その飲み口に、品質のよさをきっと納得していただけるはずです!

『いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳』ができるまで

本品の酪農家は7戸(全体で約300頭の乳牛を飼育)(2015年8月現在)
1

搾乳→集乳

1日2回搾乳した生乳(原乳)は、バルククーラー(冷却貯蔵器)で冷却保 管します。タンクローリーで集めた 生乳は工場へと運ばれます。

製造は緑豊かな高原の中心にある 奥中山高原農協乳業(株)の工場

2

均質化

原乳を遠心分離機に入れて脂肪球を細かくし、分離しにくい状態にします。

3

殺菌

65℃で30分間加熱して殺菌します。

4

充てん→検査→完成

紙パックに充てんします。このとき製造日を印字します。

5

冷却固化→完成

5℃で48時間冷却して固めてから、 裁断、個包装して完成です。

牛乳の殺菌方法は大きく3つ

低温長時間殺菌(LTLT=Low TemperatureLong Time)

・65℃で30分殺菌
・『いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳』

高温短時間殺菌(HTST= High Temperature Short Time)

・72〜 75 ℃で 15 秒殺菌
・『こんせん72牛乳』
・『酪農家の牛乳』
・『酪農家の低脂肪牛乳』

超高温瞬間殺菌(UHT= Ultra High Temperature)

・120〜130℃で2〜3秒殺菌、ほとんどの菌が死滅するため、賞味期限を長く設定できる
・市販の多くの牛乳

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生乳本来の風味と上品な甘み手間と時間を惜しみなくかけた産直牛乳
『いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳』1000ml
※本ページの内容は2013年2月公開し、2015年11月一部更新しました。
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