コロナ禍での差別やヘイトスピーチのように、いのちの根源である“共生”がないがしろにされた事態が、神奈川で、全国で起こり報道されています。そのようななか、2020年7月、ヘイトスピーチなど差別的な言動を禁止するため、全国で初めて刑事罰を盛り込んだ川崎市の条例が発効しました。「差別」を禁止する対策として一歩踏み込んだ、川崎市に注目が集まりましたが、差別や偏見を生じさせるものなどに、私たちはどう対処したらよいのでしょうか。
日本のみならず世界が課題としている「ともに生きる」社会をめざす生き方について、牧師である金迅野(きむ しんや・立教大学大学院特任准教授)さんとともに考えます。
講師紹介
金迅野(キム・シンヤ)
東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、出版社、行政系財団法人勤務などの職業経験を経て、日本聖書神学校卒業。2012年4月横須賀教会に赴任。立教大学大学院キリスト教学研究科(実践神学修士)。2020年4月より立教大学大学院キリスト教学研究科特任准教授。専門は、実践神学と「人権」教育。マイノリティ宣教センター運営委員。
研究テーマ(立教大学HPより)
「赦し」と「約束」をキーワードに、教会内外の具体的なフィールドで起きる人々の「痛み」の経験がどのように聴かれ、そこに「救い」のモメントがどのように宿るのかに関心を持って考え続けています。併せて、「多文化共生」の実践の経験をもとに、歴史のなかで実際に起きた実践を参照しつつ、憎しみと暴力の時代に「和解」はいかに可能なのか、からだを通して「和解」の場がいかに現われうるかを考えたいと思っています。