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2017/03/17
イベントレポート

“自分の頭で考えるひとになろう”「日本の医療・保険からみるTPP学習会」を開催しました

3月15日、中央労働金庫新横浜支店会議室にて、本田宏氏(医師・NPO法人医療制度研究会副理事長)、色平哲郎氏(佐久総合病院医師)を講師に「医療・保険からみるTPP学習会」を開催し、組合員、一般市民、役職員など20名が参加しました。

米国はTPPから離脱を決めましたが、各国との2国間交渉をすすめるといわれており、食だけでなく医療や保険制度も大きな影響が予想されます。講演会とパネルディスカッションでやさしく学びました。

物事の本質の見極め方をダジャレを交えて熱くユニークに話す本田先生

本田先生は、冒頭からダジャレをふんだんに盛り込んで話され、難しいテーマも笑いに満ち、明るい講演となりました。

「TPPも原発も、集団的自衛権の問題も、福祉や医療制度の問題も、じつは全部つながっている。TPPだけのことを考えていればいい、原発やエネルギーのことだけに興味がある、というスタンスだと物事の本質は把握できない」と説明されました。

世の中を理解するには、
(1)物事の全体像を把握する
(2)世界との差は? グローバルスタンダードと比較する
(3)温故知新、歴史の検証が必要
(4)Follow the Money! いったい誰が得をするのか?

「全体像を把握するんだゾー」熱くユニークに
話す本田先生

という、4つの視点を大切に、「自分で考えていく」ことが必要とお話しされました。また、「日本の教育は暗記や規則の押し付けで、“考えない”人間をつくっている。その結果、労働それ自体が目的化した従順な労働者をつくっている」という指摘に、参加者はドキッとさせられたようで、深くうなずく様子が見られました。

ご自身を医師ではなくお坊さんとして紹介、寸劇で締めくくった色平先生

「TPPに“反対”とか、“賛成”とかいっている人がいる。でも、“反対”も“賛成”もできるものではないはず。自分はよく反対派の論客のようにみられるが、“反対”とは一度も言っていない。ただ、内容がわからないものは“慎重に検討すべき”という当たり前のことしか言っていない」と話す色平先生。そして本田先生と同じく「自分の頭で考える」ことが何よりも大切と説明されました。

「人間は期待度が高いと満足度が下がる。人生を幸せに生きるためには、AKA(あてにしない、期待しない、諦める)が大切。損得ばかり考えたり、見返りを期待するのではなく、志をもって他人の痛みをわかる人をつくる社会をめざそう」とお話しされました。

「TPPも自分で考えて判断して」と色平先生

そして、最後の寸劇から、高齢者が話し相手をみつけられる福祉の視点を持った地域社会づくりが必要ということを感じ取ることができました。

「日本は圧倒的に医師不足!」パネルディスカッションは日本の医療が焦点に

パネルディスカッションでは、TPPにより、日本の医師不足は、日本国内でのことにとどまらず、世界的な医師不足に飲み込まれてしまう危惧があるとお話がありました。

「EU統合によりハンガリーから医師はいなくなりました。日本の地方に医師がいるのはむしろミラクル」。医師の偏在が問題かのように言われることもあるが、むしろ、医学部の学費が高額なのと医療費が抑制されていることにより、世界の標準よりも医師の数が少ないことが問題であると話し合われました。

活発なパネルティスカッション

今は、病院が経営難でつぶれる時代。日本の医師の技術は大変高いので、この医師の技術を守り育てる地域社会づくりが必要と述べられ、国民皆保険制度についても「権利やサービスと思って使い尽くしていると空洞化してしまう。それを防ぐためにも地域づくりや市民自治をすすめることが大切ではないか」と語りかけられました。

◆参加者のアンケートより

  • 学ぶこと知ることの大切さを実感しました。今の世の中とのつながりを考えていきたい。
  • 今まで知らなかったことを知ることができた。自分でも調べて情報収集をしようと思った。
  • 真剣な密度の濃いお話で参加して本当によかった。
  • 自分が知らぬ間に大切なことが決まっていくのが心配です。