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2016/06/13
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原発事故避難者の実状を知り、支援継続を求めるための学習会を開催しました

5月31日、パルシステム神奈川ゆめコープ 新横浜本部にて、「原発事故避難者のおかれた状況を知り、支援継続を求める署名をすすめるための学習会」を開催し、組合員や役職員約70名が参加しました。

福島県の今の状況

東京電力福島第一原発事故から5年、避難指示解除もすすみ、借り上げ住宅制度の打ち切りや慰謝料支払いを一律に打ち切る計画がすすめられています。しかし、現実には除染された場所でも事故前の数倍にもなる放射線量のある地域に子どもを連れて戻ることをためらう方も多く、まだまだ未解決の課題が多く残されています。

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元いわき市議会議員で現在「福島原発告訴団」副団長、「原発事故被害者の救済を求める全国運動」共同代表をされている佐藤和良氏は、5年前の東京電力福島第一原子力発電所の事故は地震大国日本であればごく当然の成り行きであり、そもそも日本に原発をつくったこと自体に無理があると話されました。そして、そこには国策としての原発推進があり、中央と地方の差別構造や安全性の軽視、効率の優先があったと訴えました。

福島県の現状を説明する佐藤和良氏

当組合では、震災直後から被災地や被災者の支援を継続的に行ってきました。福島県には、まったく手をつけられない地域があり、自宅に帰れない方々も多くいらっしゃいます。このような原発事故避難者がおかれた切迫した現状を理解するため学習会を開催し、「原発事故被害者の救済を求める全国運動」共同代表の佐藤和良氏から、現在の福島県について説明していただきました。また福島から川崎に避難してこられた被災者を招き、避難に至った経緯をうかがいました。

原発事故の原因は5年経った今でも解明されず、政府の原子力緊急事態宣言はいまだ解除されていません。そして、倒壊した原発からは、今でも毎時57bq、毎日1368bqの放射性物質が大気中に放出されており、原子力発電は非常にリスクの高い発電方法だと話されました。

福島から避難した母の証言

現在、避難者は10万人を超すといわれていますが、正確な人数は把握できていません。当事者のなかには、仕事のために福島にとどまらざるを得なかった父親と離れ、母子のみで県外に避難している人たちもおり、二重三重の生活費にあえいでいるケースが多くあります。そのような状況のなか、政府は、低線量とはいえ神奈川の数倍の放射線量の地域への帰還をめざして、2017年3月の自主避難者住宅支援打ち切りを決定しました。

郡山に住んでいた松本徳子さんは震災2週間後に関東に住む親戚宅に娘さんを避難させましたが、学校の再開とともに福島に戻りました。しかし、6月より娘さんの体調不良が続き、頻繁に鼻血を出したことから不安は増したと語られました。

その時、家の中の線量は0.4マイクロシーベルト~1.2マイクロシーベルト。このままでは娘を被ばくさせてしまうと学校にも詳しい説明をせず、関東の親戚の家に自主避難を決めました。

自らの体験を語る松本徳子さん

やっと神奈川県の民間借り上げ住宅に入居が決まったものの、ちょうど娘さんが親戚宅付近の学校に慣れたところで、再度の転校は難しい状況でした。結果的には、仕事のために福島県に残ったご主人、親戚宅の娘さん、神奈川県の借り上げ住宅に住む松本さんの三重生活となりました。このような生活を続ける松本さんのもとにも、住宅支援打ち切りの連絡は入りました。

「政府と県は、私たちを郡山市に帰還させたいのだと思います。しかし、この5年間の間に避難者は勉強しています。知識があります。今の福島は安全でも安心でもありません。子どもを連れて帰ることはできません」と松本さんは語りました。

原発事故被害者の救済を求める署名活動に取り組みます

今回、うかがったおふたりのお話から、切実な避難者の苦しい状況が伝わってきます。今後、自主的避難者住宅支援の2017年3月打ち切りが計画され、東京電力の住民への慰謝料支払いも2018年3月打ち切りの方向ですすんでいます。特に住宅支援打ち切りは、避難者の生活を経済的・精神的にさらに苦しめる状況に追い込んできます。

当組合では、避難の権利と補償、健康調査を国の責任で受ける権利を求めるため、6月13日から「原発事故被害者の救済を求める全国運動 第三期 請願署名」に取り組むことを決定しました。1票でも多くの署名を集めることで、避難者の権利を守る動きに繋げていきたいと考えています。多くの方のご賛同、ご協力をお待ちしています。

※原発事故被害者支援を求める署名についての詳細はこちらから

 

参加者の声
  • 現状、何も解決していないなかで、支援の打ち切りが間近に迫っていることを知りました。被災者の方の声を聞いてそのことが大変大きな問題だということを深く理解できました。まずはしっかり周囲に伝え、現実を知ってもらおうと思います。
  • 地震は天災ですが、原発被害は完全に人災であるということが今回の講演を聞いてあらためて認識しました。復興の名のもとにどんどんと支援が打ち切られることに疑問と憤りを感じます。日本全国どこにいても地震にあい、そこかしこにある原発がいつメルトダウンするかもわからない、そんな所に住んでいることに恐怖を覚えるとともに、原発被害者の方の支援について自分にできることをしていこうと思いました。 
  • 原発は百害あって一利なし、あらためて感じました。自立しなさい…も政府にとって都合のよい言葉となる。避難者に、あなたは甘えているのだ、という錯覚に落とし込んでしまう怖い言葉だと感じました。