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2018/10/04
イベントレポート

甲状腺検診キックオフイベント「『残されし大地』上映会&おしどりマコ・ケン講演会」を開催しました

9月24日(月)ビジョンセンター横浜にて「『残されし大地』上映会&おしどりマコ・ケン講演会」を開催し、79名の組合員・役職員・市民が参加しました。

2018年度「子どもの甲状腺エコー検診」キックオフイベントとして開催

東日本大震災から7年以上が経ちました。しかし、原発事故直後には関東でも放射性プルーム(放射性雲)が通過したとされ、不安はまだ絶えません。そうした心配の声にこたえ、当組合では今年度も10月から「子どもの甲状腺エコー検診」を実施します。

検診に先立つ今回のイベントでは、当組合の理事より、昨年10月の福島スタディツアーおよび今年5月の福島新電力視察の報告、よしもとの芸人でありながら原発事故後の取材を続けるおしどりマコさん・ケンさんによるトークショー、ベルギー人監督が描いた映画『残されし大地』の上映が催され、原発事故後の福島の様子や関東地方への影響などについて、あらためて知り、考える時間となりました。

福島スタディツアーおよび福島新電力視察の報告より

・福島スタディツアー
当組合の河瀬理事から、出発地の上野駅や各訪問先で放射線量計測を行ってきたことから報告され、場所によっては上野駅の数値と変わらない所もあるとのことでした。続いて、がれきの処理施設や汚染土を詰めたフレコンパックが大量に積み上げられている映像などをとおして、被災地の様子が報告されました。現在、除染がすすんでいる地域では線量は低くなっており、必要以上に不安に思う必要はないが、引き続き調査、研究が必要ではあると話されていました。

・新電力会社、(株)元気アップつちゆと飯館電力(株)※ の視察

風評被害により温泉地としての観光産業が成り立たなくなってしまった土湯温泉町。当組合の井上理事の報告では、その状況を乗り越えるために地元の団体が出資しあって誕生した(株)元気アップつちゆでは、温泉熱を利用したバイナリー発電事業を柱に、余剰電力で全国的にも珍しいエビの養殖事業も行っているとのことです。また、原発事故後、生業を失った村民により設立された飯館電力(株)は、電気なら関東の人たちに買ってもらえるはずと電力産業を起こしたとのことで、どちらも震災前以上の復興をめざして精力的に取り組まれている話をうかがうことができました。

私たちにできることとして、「被災地の現状を知ること、被災地とつながること。そして、エネルギー問題とどう付き合っていくかを考えること」と、締めくくられました。

※(株)元気アップつちゆと飯館電力(株)ともに、パルシステムでんきの契約発電産地です。

おしどりマコ・ケンさん トークショー

鳥取大学医学部に在籍していた経歴を持つマコさん。学生当時に見たチェルノブイリ原発事故に関する文献に「風向きと天気が事故後の影響を左右する」と記述されていたことを思い出し、福島原発事故後は天気図をたくさん見て、その後の影響を推測していたという話から、独自の取材をとおして知りえたことまで、テンポよく、わかりやすく話してくださいました。
おふたりの講演活動のなかで、ドイツで現地の中高生に向けて講演を行う機会があり、福島の原発事故のことに詳しい学生が多いことに非常に驚かれたという話もしてくださいました。遠く離れた地の若者がなぜそれほどまでに日本での原発事故に詳しいのか。それは、ドイツでは、目をそらしてはいけない問題に目を向かせるよう家庭で教育しているから、ということがあとでわかったそうです。

最後に、「情報が出てこない、選択肢もない、議論もできない、だから自分で動いて、情報を集め、発信しなくてはいけない」と話され、これからもさらに精力的に取材活動を続けていく意思が語られました。


【参加者アンケートより】

  • やはり情報が少ないし、隠されているのだと感じました。ドイツの子どもたちや家庭教育には驚きました。
  • 子どもへの教育が大切だといつも思っていましたが、まず、家庭での教育をしっかりしなくてはならないと気づかされました。
  • 日本の政治・報道・教育のあり方についてあらためて考えました。
  • 忘れてはいけない原発事故を思い出させてくれてありがとうございました。これからも忘れないよう、子どもたちに伝えていきます。

『残されし大地』上映より

「残された動物たちの世話を、誰かがしてあげないと」と帰還困難区域に残った男性。「若者が戻らない、農業の後継者がいない、だからもう農業は成り立たなくなる…。“警戒区域”と名付けられたら、もう復興はあり得ない」とも静かに語る。
仮設住宅暮らしでうつ病になり、亡くなった人の話から、「こっち(富岡町)で好き勝手に生きる方がまし」と話す夫婦。「水と土は生き物を生かすもの」と畑を耕しながら語る男性。その大事な土が「除染中」としてフレコンパックに詰め込まれ、そこかしこに置かれている町の風景。とある民家の周囲の線量を計測している外国人が、高い数値を示しているのを見て、「放射能に匂いがついていたら、誰もこの地には寄り付かないだろう」と話す。

庭で採れた果物を持ち寄り、「役所で検査を受けたけど、全然問題ないと言われた」と話したり、胸のうちを語り合ったりする女性たち。その女性たちがオカリナを奏で、歌を歌うシーンで映画は終わっていく――帰還困難区域に残った人々をとおして、そこで生きる彼らの姿と思いを、印象に残る映像で静かにつづった映画でした。


【参加者アンケートより】

  • 原子力の恩恵を受けた私たちが何も変わらない生活を送り続け、被害を受けた方々が今も悩み、不安な日々を送っていることをよく考え、自分に何ができるかを見つけたい。
  • 豊かな土地であった福島が、今は放射線を気にしながら生活をしたり、故郷に帰りたくても帰れない人が多くいらっしゃることを私たちも考えなければいけないと思います。
  • 福島に2度訪れました。原発はNOと言い続けたい。
  • 故郷を奪われた責任は誰が取るのか。
  • 生活が根底から崩れる怖さ。自分ならどう立ち向かえるのか、考えてしまう。
  • 淡々とした映像がかえって、事態の深刻さとどうしようもない切なさを表出していると感じました。


当組合では、「子どもの甲状腺エコー検診」以外にも、「被災地スタディツアー」や「福島の子ども保養プロジェクト」の実施、学習の場づくりなどをとおした震災復興支援活動にも引き続き取り組んでいきます。ぜひ、ホームページ、weeklyどりーむぺいじなどでイベント情報をチェックし、ご参加ください。

※11月3日(土)~4日(日)開催の福島スタディツアー「原発事故の影響と新電力の視察」申し込み受付中です!(申し込み締め切り日時:10月8日(月)16:00)

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