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2016/09/09
イベントレポート

「震災から5年 それぞれの視点から伝えたいこと ~原発、健康とくらし~」を開催しました

9月3日、川崎市幸区の川崎市産業振興会館にて、「震災から5年 それぞれの視点から伝えたいこと ~原発、健康とくらし~」を開催し、約250名の組合員・役職員・市民が参加しました。

2016年度「子どもの甲状腺エコー検診」のキックオフイベントとして開催

東京電力福島第一原発の事故から5年半。しかし、原発事故による影響はいまだ終息しておらず、福島県の県民健康調査では、131名の子どもから甲状腺がんが見つかったという報告もあります。神奈川県内でも、放射能の影響を心配する声があり、当組合では今年度も秋以降「子どもの甲状腺エコー検診」を実施します。
検診開始に先立つ今回のイベントでは、川崎の京浜協同劇団によるドラマリーディング 「空の村号」の上演と甲状腺の専門医でもある長野県松本市長の菅谷 昭(すげのや あきら)氏の講演、そしてよしもとの芸人でありながらジャーナリストの顔をもつおしどりマコさん・ケンさんのトークショーから、原発事故後の健康とくらしへの影響について、あらためて学び考えました。

講演と公演をとおして原発事故の影響を学び考えました

「空の村号」の上演をとおして生活への影響を振り返りました

川崎の市民劇団「京浜協同劇団」による「空の村号」の上演では、原発事故に翻弄される福島県の村の人々をモデルにした劇をとおして、5年半前の原発事故が、それまでの平穏な生活にもたらした影響を振り返りました。
登場人物は、楽観的な性格の小学5年生の主人公「空」を中心に、心配性の妹「海」、そして友だちやまわりのおとなたち。事故のあと、原発事故の影響はない、などさまざまな情報が飛びかいますが、最終的には全村避難の指示が出ます。目には見えない放射能の影響で、生業であった酪農業をうばわれたり、家族や友人たちと離ればなれにならざるをえなくなった状況が描かれました。
※ドラマリーディング…戯曲を素材にした演劇の新しいかたち

「空の村号」には当組合の組合員も出演しました


参加者アンケートより
  • 福島出身ですが、当時の様子が思い浮かぶような劇の内容に何度も涙しました。
  • とてもわかりやすくかった。劇をとおして現在の日本のおとなが、本当に子どもたちのために行動しているのか? 発言しているのか? と、考えさせられました。
  • 事故を過去のことにしてはいけないと思った。空くんのようなご家族がたくさんいると思います。関東も同じだと思いました。事故後、迷いながら子育てをしています。
  • 子どもたちには放射能なんて関係ない。ばらまいたおとなたちが責任をもって片付けなくてはいけない。でも、それはむずかしい問題でもあり、とても考えさせられました。

チェルノブイリ原発事故から30年、ベラルーシの現状を知る

菅谷昭松本市長は、 チェルノブイリでの原発事故後、チェルノブイリや放射能被害の大きかったベラルーシを訪れ、現地で医療活動に従事。自身の経験をもとに、ベラルーシでは事故後30年となる現在でも除染しきれていない高線量汚染地域が存在していること、そして子どもたちに免疫機能の低下などの健康被害がみられることなど、現地の深刻な現状を解説しました。
しかし、悲しい話ばかりではありません。菅谷氏がかつて治療をした子どもたちも、今やおとなになり、元気な子どもを産んで生活をしている人もいます。近年ベラルーシを訪問した際の再会写真を紹介しつつ、福島の原発事故の影響で将来を悲観している子どもたちも希望をもってほしいと語りました。

菅谷氏が市長を務める長野県松本市では、東京電力福島第一原発の事故の4カ月後から福島の子どもたちへ向けた保養活動を実施しています。「ベラルーシでは、汚染地域に居住する子どもたちの定期検診や、非汚染地域での保養活動が国の負担で行われている」と紹介。本来は国が対応策をとらなくてはいけない問題であるが、現状はそうなっていないことを指摘し、「福島の事故を風化させないために、みんなが関心を強め、子どもの未来を守っていくことが必要」と述べました。


参加者アンケートより
  • チェルノブイリの事故から30年たっても、いまだに汚染が続いているという実状は恐ろしいです。
  • チェルノブイリからの教訓をいかせていない日本がはがゆい。
  • 震災からまだ5年しか経っておらず、まだまだ終わっていない問題だということを国民一人ひとりが感じ行動しないといけないと感じました。
  • 放射能汚染はこれ以上増やしてはいけないと思った。原発に反対します。

原発事故後、日本での対応から考える

よしもと所属の芸人であり、フォトジャーナリズム誌「DAYS JAPAN」の編集委員でもあるおしどりマコさん、ケンさん。震災当時、まわりの芸能人が続々と関東から避難していながら、そういった事実がメディア報道には一切出てこなかったときに感じた「自分で調べて本当のことを知り、ファンの親子に伝えたい」という気持ちが活動の原動力になっている、と語りました。
お二人の息の合ったかけあいで、深刻な内容ながらも笑いの絶えない時間となりました。

原発事故の調査を行うなかで、マコさんは東電の記者会見出席率No.1に。現在、日本ですすめられている“年間20ミリシーベルト以下”(他国での、放射能関係の仕事従事者の基準と同一)という基準のなかでの帰還政策や、処分に困っている汚染浄土を再生利用しようとする動きなどに対して「おかしい」と声をあげました。「今、わたしたちがきちんと調べて行動しないと、未来の加害者になってしまう。知って、考え、行動し続けましょう。」と呼びかけました。


参加者アンケートより
  • 事実をとことん調査しお話しいただき、本当に感動しました。話が上手で聞き入りました。
  • たくさんの知らない情報をさまざまな資料、実体験をもとに楽しくお話しいただきとても参考になりました。
  • 面白く、でもリアルな情報をありがとうございました。子どもを守るためにいろいろしていますが、自分は間違っていないと思えました。
  • 原発をふくめ、国の動きについて、知って、考え、行動して私たちのくらしを守りたいと思いました。

市民劇団、医師、芸人、それぞれの視点からの発表により、震災後からこれまでの影響を振り返りるともに、私たちがこれからできることを考える時間にもなりました。
当組合では10月より、今年度の「子どもの甲状腺エコー検診」を開始してまいります。また、引き続き「被災地スタディツアー」や「福島の子ども保養プロジェクト」の実施、学習の場づくりなどをとおした震災復興支援活動にも取り組んでいきます。ぜひ、ホームページ、weeklyどりーむぺいじ等 でイベント情報をチェックして、ご参加ください。


※この企画は、パルシステム共済生活協同組合連合会の「たすけあい活動助成金」(事業剰余金を、地域で行う子育て支援、家事援助、健康維持活動等のくらし課題解決に対して資金面で応援する制度)を使って運営されました。